英国流SUV「ランドローバー」が頭打ちの理由 加速できない「砂漠のロールスロイス」の現状
輸入車の国内販売が好調だ。2017年上半期(1~6月)、外国メーカーの乗用車販売は15万台を超え、このままの勢いを保てば、1996年以来の暦年販売の過去最高更新も見えてくる。
人気の牽引役がSUV(スポーツ多目的車)だ。メルセデス・ベンツやBMW、アウディといったドイツ勢が拡販にいそしむ。そんな中、SUVの”元祖”ともいえる老舗ブランドも動いた。英国のSUVメーカー、ランドローバーだ。
同社の日本法人、ジャガー・ランドローバー・ジャパンは7月11日、新型SUV「レンジローバー・ヴェラ―ル」の受注を始めた。レンジローバーブランドとしては4つ目のモデルで、ドアに埋め込んだドアハンドルが使うときだけ浮き上がってくるなど、近未来感を持たせた。価格は699万円~。
ランドローバーは日本で伸び悩んでいる
ドイツ勢とは対照的に、ランドローバーの国内販売は近年頭打ちだ。2008年、ブランドで最も小型な「レンジローバー・イヴォーク」を発売すると、2011~2013年の3年間は毎年販売台数が倍増し、過去最高の3422台に達した。
だがその後は他社が相次いでSUVに参入する中で存在感を出せず、年間3000台レベルから伸ばせていない。昨年秋、イヴォークのコンバーチブルタイプ(オープンカー)が登場し話題を呼ぶも、台数の伸びにはつながらなかった。
ランドローバーは1969年に初代SUVのプロトタイプ「ヴェラール」を開発して以来、高級SUV「レンジローバー」を軸に、約50年にわたってSUVを手掛けてきた。英国が誇る自動車ブランドとしてエリザベス女王やウィリアム王子なども愛用し、英国王室御用達としても知られる。かつては”砂漠のロールスロイス”とも呼ばれた。
2002年に高級スポーツカーメーカー、ジャガーと統合し「ジャガー・ランドローバー」として再編され、2008年にはインドの自動車メーカー、タタグループの傘下に入った。
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