新婚で年収1000万円を捨てた夫婦の七転八起 月収3万円の落語家へ転身で迫られた劇変
銀座に復帰して半年。心身ともに追い込まれた明日香さんは、ついに限界を迎えることとなる。いつもどおり、出勤しようとした矢先、玄関先で倒れてしまったのだ。そのまま動くことすら出来なくなり、緊急入院することに。
「結婚して『こんなはずじゃなかった』(と思い詰めて)。どん底だったかもしれないですね」(明日香さん)
過労と精神的ストレスが原因だった。
夫の突然すぎる落語家転身から10年。月収3万円の極貧生活を送っていた夫婦は今、どんな暮らしをしているのか。ご自宅にお邪魔してみると、妻は3人に増えた子供の育児に追われていた。
出産直後から銀座勤めをして家計を支えた明日香さん。散々迷惑をかけた夫だが落語への情熱だけは本物だったようで、2012年、入門からわずか5年で新人落語家の登竜門、NHK新人演芸大賞を受賞。昨年あの「笑点」新メンバーの候補にも挙がった。
その実力やいかにと、大先輩の落語家・三遊亭小遊三さんに聞いてみると
「うちの協会のバリバリの星ですよ!真打になってもらわなきゃ困る」(三遊亭小遊三)
今では先輩落語家からも一目置かれる存在に
今では、先輩落語家からも一目置かれる存在だ。実力は十分。どうやら妻・明日香さんは銀座を卒業することができた様子。となれば、気になるのは、月3万円だった夫の今の収入である。
「まあ何とか食べていけるくらいですね」(明日香さん)
利之さんの主な収入源となっている寄席のギャラは、現在、月に20万円ほど。家族5人が暮らすには心もとない。そこで、家計の大きな助けとなっているのが頼りになる御贔屓さんだ。そのお食事会を覗いてみると、出ました。
「はい、御車代」(御贔屓さん)
お車代1万円。こうしたスジからいただく「お小遣い」は、ありがたい臨時収入となる。さらに、この宴席には妻・明日香さんと子供たち3人の姿が。すっかり逞しくなった落語家の妻。食費を浮かせようと、ちゃっかり家族でご相伴にあずかっている。
「自分たちでは、子供を連れてこういうところに来ることはまずないですから、ありがたいですよね」(明日香さん)
最後に聞いてみた。突然、落語家になった夫との結婚は『正解?』『後悔?』
「後悔ですよね。やっぱりこんなに苦しい思いをするはずじゃなかった……。でも、また生まれ変っても、この人かなって思います!」(明日香さん)
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