長続きしない「第二新卒」は、こう磨き上げる

「なぜ失敗したか」から始める新手の支援会社

こうしたミスマッチを解消しようと、国や大学のキャリアセンターもさまざまな取り組みをしてきたが、劇的な成果が出ていないことは、新卒者の3年内の離職率の推移を見れば明らかだろう。

政府や大手人材会社も、3年未満で離職した新卒社員を「第二新卒」と名づけ、企業に採用を促してきた。すぐに会社を辞めてしまった”半人前の元社員”は、確かに経験豊富な中途採用の社員のような即戦力にはならないかもしれない。が、名刺交換や電話対応など基礎的なビジネスマナーを習得しているので余計な研修費はかからず、かつ企業や業界の個別風土にもなじみやすい、順応性のある人材である。そう改めて定義し直し、早期に離職した第二新卒の雇用を促進してきたわけだ。

ただ、2008年のリーマンショックを契機とした雇用の冷え込みで、取り組みは下火になっていった。そのまま行けば、「第二新卒」という言葉は、死語として忘れ去られることになっていたはずだった。

そんな彼らにとって、好機が到来している。ここ数年、景気が上向いていることや少子高齢化の進展により、空前の人手不足の状況になっているからだ。企業が当初の計画通りに人材を確保できず、第二新卒や既卒者も含めた積極的な採用活動を行うようになってきた。求職者からすれば、願ってもない売り手市場になっている。

「どんな仕事に向いているか」を一緒に考える

模擬面接の様子。受講をしている期間と平行して、採用の紹介も行っており、早い段階で、内定を決める求職者もいるという (編集部撮影)

こうした時代の流れを受けて注目されているのが、2012年に創業した、株式会社UZUZ(ウズウズ)だ。同社は「第二新卒」だけでなく、大学卒業後に正社員として就職することなく非正規雇用のフリーターや未就業のニートとして過ごした、「既卒」と呼ばれる求職者たちを専門にする、人材サポート会社だ。

UZUZの特色は、個別のカウンセリング対応にある。「既卒」、あるいは「第二新卒」になった求職者は、ホームページから会員登録。その後、キャリアカウンセラーの面談を受けて、「なぜ最初の就職に失敗してしまったのか?」「本来どんな仕事が自分に向いているのか?」を、一緒に考えていくことからスタートする。1回で2時間以上話し込むこともあるという。

2016年からは「UZUZカレッジ」を開講。東京・西新宿の本社や初台にあるスペースに第二新卒や既卒の求職者を集め、社会人として必要になるビジネスマナーや、Word、Excel、ビジネスメールの打ち方といった基本スキルを学んでもらう。平行して採用面接対策なども行う。さらに、ITインフラエンジニアの登竜門とも言われる「CCNA(シスコ技術者認定)」や国家資格の「ITパスポート試験」といった、専門資格を取得するための参加コースを設けている。

「UZUZカレッジ」に入学すると、基本的に4週間程度のカリキュラムが用意されている。開催時間も月曜から金曜の10時から17時という、企業の勤務スタイルに近い。社会人生活を習慣づけて、就業後の生活リズムの激変を防ぐのが狙いだ。欠席する場合も、その連絡と、理由の報告を義務づけているという。

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