東芝のメモリ売却交渉、またもや結論先送り WDとの溝埋まらず、経営陣の本気度に疑問も
結局、”優先交渉”は消滅。日米韓連合に加え、WDと大手投資ファンドの米KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)と革新機構などの連合、EMS(電子機器受託製造)で世界最大の台湾鴻海精密工業を加えた3陣営と交渉を続けてきた。
直前まで優勢だったのはWD陣営だ。
売却完了のためには、各国の独禁法審査をクリアする必要がある。特に中国当局の審査には最低6カ月はかかるとされる。2018年3月末までに子会社売却益を計上し、債務超過を解消するには一刻も早く売買契約を結び、独禁法審査に進みたい。
前に進むには、WDを取り込むしかない――。日米韓連合を推していた経済産業省もWDを容認、債務超過解消に道筋をつけたい主要銀行も8月中の売却先絞り込みを東芝に求めた。
東芝とWDの溝は埋まらず、3陣営と交渉継続
大筋合意と報じられていたものの、将来にわたるWDの出資比率についてなど、東芝とWDの溝は実際には埋まっていなかった。さらに、8月末が迫った土壇場でアップルが資金提供する新提案をベインが行ったこともあり、決めきれないまま3陣営との交渉継続となった。
東芝は「可及的速やかに契約締結を目指す」としているし、そこにウソはないのだろう。ただ、3陣営のどこに決めたとしても2018年3月末までに独禁法審査をクリアできる望みは薄い。前述した独禁法審査に必要な6カ月はあくまで目安でしかないから
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