仕事で信頼されない人は胸襟を開くのがヘタ

デキる営業は取引先への自己開示がうまい

④ 未知の窓(自分にも他人にも分かっていない姿)

これは、自分自身も周囲の人も気づいていない自分です。この部分は、誰にも分かりません。別の言い方をすれば、自分自身の未知なる可能性ともいえます。

私たちは日々、お客さまとの良好な信頼関係を築くために、①の「開放の窓」を広げることを意識しなければなりません。そのためには、自分が知っていて相手が知らないこと、すなわち、自己開示をする必要があるのです。

「開放の窓」を大きくして自己開示せよ

「開放の窓」を大きくした結果、私自身、大きく変わったことが2つありました。

1つめは、お客さまとの信頼関係が深まり、仲がよくなった設計担当者から、競合他社に声をかける前に、私に問い合わせをしてくれるケースが増えてきたことです。

営業マンにとって、どこよりも早く声をかけてもらうことは、競合他社よりも先に商品を提案できるため、圧倒的に有利な状況となります。まだ客先の商品仕様が完全に決まっていない時であれば、競合他社には存在しない商品や、自社にとって生産がしやすい、または利益率が高いなど、有利な商品を提案することもできます(もちろん、お客さまのメリットが第一であることは忘れないでください)。

または、これから開発が必要になる商品であれば、どこよりも早く商品開発に取りかかれるため、見本の提示、試作品の評価などの反応が他社よりも早く得られ、かなり有利な状況になります。まさに、営業マンにとっての理想の状態を築くことができるわけです。お客さまが開発を急いでいる案件の場合、他のメーカーとさほど遜色がない商品であれば、先に採用決定してもらえることもあります。

2つ目は、先方の購買担当者から、競合他社よりも先に価格の相談をされるようになったことです。購買、資材、調達など、メーカーによって部署の呼び名は違いますが、価格の最終調整をする部署です。

競合他社の概算価格が出揃ってからの見積り依頼は、たいていの場合、すでに決定している他の部品メーカーの価格を下げるために依頼された、当て馬的な存在になりがちです。このような見積り依頼しかないうちは、なかなか商品を採用してもらうことはできません。

反対に考えれば、お客さまから先に価格の相談をいただける時は、自社商品の採用を優先的に考えていただいていることが多いのは当然です。他社よりも先に声がけをいただき、お互いに納得のいく価格の提示ができたことで、すぐに採用決定となったことは、何度もあります。

これは、ジョハリの窓で「開放の窓」を大きくしたことにより、お客さまとの信頼関係が構築でき、人間同士の親密度が高くなったからこそ、「先に声がけをしていただく」ことができるようになったのです。

お客さまのニーズを正確につかみ、ニーズに合った提案ができるようになったら、次に目指すべきことは「競合他社よりも先に声をかけてもらう」ことです。そのためには、お客さまとの信頼関係をより強固にしていかなければなりません。そこで最大の要因になるのが「自己開示」だと覚えておいてください。

(文:大岩 俊之)

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