わが子の交際相手が期待外れな場合の対処法 「孝行」を目当てに子育てしてはいけない

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彼の「不安定な職業」とは、彼が怠け者でその職業なのでしょうか? 努力家なのに、運悪く安定しないのでしょうか? 一生懸命夢を追って、その途中だからでしょうか? 人柄などは二の次ですか? 今現在の交際相手が「安定した職業」の人なら、ひとまずお嬢様は親孝行ですか?

外見や条件がよいという理由だけで生涯の伴侶を選んだ人ほど、失敗する確率が高いのは、あなたも否定なさらないと思います。逆に恋女房を得て一念発起し、公私ともに充実した人生を歩む男性もいますしね。

しかもあなたは一度もお嬢様の現在の交際相手に会っておられませんし、どの程度の交際なのかも、聞いておられません。今現在、あなたがわかっておられることは、相手が男性だということだけです。

お嬢様が交際を始めたこの時点でジタバタするのは、滑稽です。年頃のお嬢様が新しいボーイフレンドをいちいち親に報告しないといって、心が折れたとか裏切られた、縁切りだとまで心を揺らすのは、コトを複雑にしすぎです。

孝行を求めて子育てするわけではない

何を孝行とするかにもよりますが、孝行を求めて育児を始めたのではないことを、思い出してください。

このテーマになると私は必ず、ある人を思い出します。口を開くと自分の昔の苦労話をし、何かにつけて子どもに恩を着せる話に結び付けていた人です。その人の子どもたちはうんざりし、親を敬愛しないどころか鬱陶しがり、「頼んで生んでもらったわけではない」という、言わなくともいい言葉まで吐くようになっていきました。第三者からみても人間として、信用できない人でした。

それに比べると有名人・無名人を問わず、敬愛する親を語るときに、「昔の親は自分の苦労話を子どもに一切しなかった」という言葉がよくあることに、気づきませんか?そんな人ほど親の恩を知り、苦労を慮り、感謝していることでも共通しています。

子離れとはある意味、子どもは親の思ったとおりには育たないものだと腹をくくることです(しかも思いどおりに育たなかったほうがよかった場合もよくあります)。

子どもの交際相手の職業が気に入らないといって親子が縁切りする等、それこそ元も子もなくなる話です。

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