障害者と補助犬を差別する人が知らない真実 なぜ悲しい出来事が起こってしまうのか

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「こういうところで(情報を)探したらわかるよということをお伝えすると、それで十分、『旅行できました』『滞在できました』ってご報告いただけます。正しい情報は何なのか、その人に必要な情報は何なのかを、適切にお伝えできたら」と、橋爪さんは話します。

ユーザーさんと場所をつなぐ「ハブ」になりたい

日本補助犬情報センターは、この4月から新職員を迎え、事務局2名体制という小さな組織力。その中で橋爪さんは、“正しく知る”人を一人でも増やそうと日本全国を日々飛び回っています。

特定非営利活動法人日本補助犬情報センターの橋爪智子さん(photo by 堀篭宏幸)

「私は、多くのユーザーさん達にたくさんのことを教えてもらってきました。そのユーザーさん達の声をとにかく伝えたい、それだけなんです。ユーザーさん達といろんな場所を繋ぐっていう意味で『ハブ』のような存在になって、様々な立場の人たちをつないでいきたいと思ってます。」

補助犬法が制定されて15年。現状では残念ながら、補助犬法を知らない人の割合が64%だという数字があります(※4)。“正しく知る”人のネットワークを広く、大きくしていくために、日本補助犬情報センターは、市民一人一人の協力を必要としています。

※1 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課 (2008)「平成18年身体障害児・者実態調査結果」

※2 岡正彦(2013)「音声による移動情報取得支援システムの研究開発(112302006) 」(ICTイノベーションフォーラム2013発表資料)

※3 特定非営利活動法人日本補助犬情報センター(2016)「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査(補助犬ユーザーアンケート調査編)」

※4 松中久美子・甲田菜穂子 2012 一般成人の身体障害者補助犬法の周知と補助犬の受け入れ-補助犬法改正後の共存意識について- 日本心理学会 第76回大会発表論文集

特定非営利活動法人 日本補助犬情報センターについては「GARDEN」当該記事

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GARDEN編集部

『GARDEN Journalism』(https://gardenjournalism.com/)は、公益事業者の発信を支援するプロジェクトGARDENが運営するニュースメディア。社会問題と向き合い、困っている人たちの一助になろうと奮闘している、NPOやNGO等の方々の活動を取材し、動画と記事で発信している。

4つの支援の形として、以下の4つのマークを用意。

・必要な資金を寄付することで種を育てる、「支援したい」水差しのマーク

・発信し情報を多くの人に広めることで種を育てる、「取材したい」カメラマーク

・ボランティアやイベントに参加することで種を育てる、「参加したい」花びらのマーク

・気持ちを届けることで種を育てる、「共感する」お日様のマーク

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