トランプ大統領が「再選」に向けて動き出した

大陪審の招集は弾劾リスクとはならない?

支持率は30%台にもかかわらず、2020年の再選を目指して準備に入った(写真:ロイター/Carlos Barria)

8月3日付の米ウォールストリートジャーナル紙を皮切りに、複数の米メディアは、「ロシアゲート」疑惑を捜査中のロバート・ミュラー特別検察官が、同疑惑の関係者を起訴にするかどうかを決める大陪審を首都ワシントンで設置することにしたと大々的に報じた。まるでドナルド・トランプ政権が崩壊に向けて大きな一歩を踏み出してかのような扱いだ。

しかし、トランプ大統領の立ち位置は違う。8月4日、17日間の夏季休暇に入ったトランプ大統領は、メディアからの強烈なブーイングをものともせず、「ワーキングバケーション」(働く休暇)と称して、意気軒昂である。支持率は30%台にもかかわらず、2020年の再選を目指して準備に入った。このことはメディアも明確に報じている。

ミュラー氏が大陪審を招集した最大の理由

米メディアがはやしたてるトランプ崩壊論と、トランプ大統領の再選に向けた自信たっぷりな言動という、まさにネガティブとポジティブの著しいギャップが生じているのはなぜか。その最大の理由は、ミュラー特別検察官の動きに対する見解の相違である。

この連載の一覧はこちら

今回、ミュラー氏が大陪審を招集したのはなぜか。証拠集めという名目はさておき、おそらく最大の理由は、ミュラー氏自らの身の安全を図るためではないか。つまり、大陪審を招集することによって、トランプ大統領によるミュラー氏解任策を封じるという作戦だ。いわば、法的な観点からのポリティクスである。

ミュラー氏は、自分自身の地位が危ういと察するや、感情的に反射的な行動を起こすクセがある。そんな人物ということは、すでに証明済みだ。「ロシアゲート」疑惑をめぐって、トランプ大統領に対して司法妨害捜査の対象にするとワシントンポスト紙が報じたとき、それを否定しなかった。実は、その直前に大統領によるミュラー氏解任説が浮上していた。

次ページ解任が消えたからといってダメージには直結しない
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
消える仕事、残る仕事<br>1億人の「職業地図」

コロナ、AI、脱炭素――。私たちの雇用を取り巻く環境が激変しています。今後、どんな職業を選ぶかは死活問題に。2030年に向け「消える仕事」「残る仕事」36業種、「会社員の価値」がわかる9職種を掲載。本特集が職業を改めて考える機会になれば幸いです。

東洋経済education×ICT