ドナルド・トランプ米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏が公開したメールが米国で大問題になっている。ロシアゲート疑惑をめぐって、ジュニア氏がロシア政府との共謀容疑で有罪になるかどうか。その共謀があるかないかの法律解釈・運用をめぐる攻防は、日本にとっても決して無縁ではない。
日本では、テロなどの組織犯罪を未然に防ぐ目的で、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が、6月15日に成立、7月11日に施行されたばかりである。新聞によって「共謀罪」法としたり、「テロ等準備罪」法としたり、使い分けがなされているように、法律の解釈・運用をめぐって甲論乙駁(おつばく)があり、国会審議でも迷走した。
トランプ・ジュニア氏のケースは参考になる
要するに、この法律の新設によって、多くの犯罪が前倒しで処罰できるようになり、テロなどの犯罪は未然に防ぐことができる。その一方で、捜査当局による恣意的な解釈、運用によって「表現の自由などが侵害される」という懸念もある。
今回のトランプ・ジュニア氏のケースによって、今後、日本の企業経営者などが海外取引などをめぐって、何らかの共謀容疑に巻き込まれたり、あるいは共謀罪で訴えられたりするのを防ぐにはどうすべきか、ということを知るための参考になる。
もちろん、政治やビジネスの世界では、日米でそれぞれ違いはあるが、共謀というカテゴリーでは共通するところがあり、参考にすべきだろう。
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