マイクロソフト新CEOが迫られる「二者択一」 カリスマの後継ぎという難題
[シアトル 26日 ロイター] - 米マイクロソフト
マイクロソフトは23日、バルマーCEOが1年以内に退任すると発表。そのわずか6週間前、同CEOはハードウエアとクラウドサービスを中心とした未来を構築するため、大規模な組織再編を打ち出していた。
しかし、数年にわたるオンライン検索事業やスマートフォン(多機能携帯電話)事業の不振に加え、新型タブレット端末「サーフェス」のさえない販売がこのアプローチに暗い影を落としている。
投資家は長年にわたってマイクロソフトに対し、多額の利益を生んでいるウインドウズ、オフィス、サーバーフランチャイズといった事業に限定的に注力する一方で、不採算事業や周辺事業に費やす資金を株主に振り向けるよう求めてきた。
物言う株主グループとして知られるバリューアクト・キャピタル・マネジメントは、そういったアプローチを好むとされている。
少なくとも現在のところ、マイクロソフトはバルマー氏のビジョンを追求することに注力しているとみられ、同社の取締役で新CEOの選定作業を担う特別委員会の委員長を務めるジョン・トンプソン氏は23日、取締役会はバルマー氏の再編計画に「コミット」していると表明した。
ただ、取締役会が実際にどれだけ再編計画にコミットしているかや、外部の意見にどれだけ前向きに耳を傾ける気があるかは、委員会の最終的な選定によって示されることになるだろう。
モーニングスターのアナリスト、ノーマン・ヤング氏は「サーバー事業を統括するサトヤ・ナデラ氏やウインドウズチームの誰かなど内部候補者を起用することは、この再編と戦略的シフトをしっかりやり遂げるためには理にかなっている」と指摘。
その上で「マイクロソフトが社内に新風を吹き込む人物、戦略を実行できるとともに外部の見解を持ち込める人物を必要としているとも言えるだろう」と語った。
それはゲーム機「Xbox」や検索エンジン「Bing」事業の売却、あるいはタブレット端末や他のコンピューター事業への取り組みの縮小を意味するかもしれない。