全盲の夫婦が築く「見えなくても」明るい家庭 2人で越えた難関の司法試験、結婚、妊娠・出産
目の見えない2人が結婚、そして出産。亜矢子さんに不安はなかったのだろうか?
「何も別に無かったですね。初めての妊娠・出産・育児って、目が見える見えない関係なく皆不安だし、皆大変じゃないですか。それを一個一個2人でクリアしていけば、別に良いんじゃないかなって気持ちだったので、取り立てて不安は無かったです」(亜矢子さん)
ありのままに…心の声を伝える子育て
密着中にはこんな親子の出来事があった。この日は6歳の長女・心(こころ)ちゃんとオセロで対決。そのゲーム中盤を迎えたときのことだ。負けそうになった心ちゃんが、突然、不機嫌に。ママを傷つける言葉を言ったのだ。
「とても1年生とは思えないようなその態度」(亜矢子さん)
「ママは大人とは思えません」(心ちゃん)
「どうして?」(亜矢子さん)
「見た目で。見た目で保育園、幼稚園、赤ちゃんぐらいですね。馬鹿な人だよね。変な人だもんね」(心ちゃん)
はずみで出た言葉とはいえ、ママを傷つける一言。すると…
「ママ、すごく傷ついた…」(亜矢子さん)
亜矢子さんは叱るのではなく、あえて悲しい気持ちだけを伝えた。
ママの言葉に、突然泣き出す心ちゃん。亜矢子さんはその様子を、何も言わずに静かに見守るだけ。すると、心ちゃんがママのもとへ。
「ひどいこと言ってごめんなさい」(心ちゃん)
「『バカだね』とか『変な人』とか、ここちゃん言われたらどう思う?」(亜矢子さん)
「悲しい気持ち」(心ちゃん)
「ママも1年生とは思えないねとか言っちゃったからゴメンネ」(亜矢子さん)
これが亜矢子さん流の子育てだ。家事に、育児に、とにかく明るい亜矢子さん。彼女にとって、結婚とは?
「1人だったら絶対に得られない経験をたくさんできています。自分の人生の中で主人と子どもたちがいちばん大きい」(亜矢子さん)
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