タツノコプロ展は「父子のおでかけ」に最適だ ヤッターマンを「体感」できる

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また長い歴史を持つシリーズはリメイクされて放映されているので、現代の子どもたちにも親しまれている。初放映が1975年の『タイムボカンシリーズ』は2016年10月より『タイムボカン24(トゥエンティーフォー)』として放映。視聴率もよく、2期目の放映が決定しているという。

「タイムボカントゥエンティフォーは親子で見ていらっしゃることも多かったようです。子どもはもちろん新しいアニメとして、親世代は懐かしい気持ちも感じつつ“ここはこう変わっているのか”という設定の違いを楽しみながら……。“親子で楽しんでいただけている”という点で、初代の時代とは変化があるかもしれません」(中津氏)

今回の展示会も、ファミリーや往年のタツノコファンをメインのターゲットとしている。「往年のタツノコファン」とは子どもの頃よりタツノコ作品を見て育った30~50代の世代に当たるという。ガッチャマンやタイムボカンなど、カッコいい乗り物(メカ)が特徴のひとつでもあるので、往年のファンには男性が多いかもしれない。そのことを意識してか、東武百貨店では隣接する会場で7月27日から8月1日の6日間「タミヤモデラーズギャラリー」というプラモデルの展示会を同時開催。相乗効果による集客を狙った。初日当日午後から賑わい始め、週末も親子連れなどで盛況だったという。

展示会では、エントランスをくぐると、まずタツノコプロの年表が紹介され55周年を通して制作された作品数の多さに圧倒される。次に『宇宙エース』から始まる、作品のセル画、原画が年代順に並ぶ。特に登場人物やメカを肉筆で描いた作品には、その丹念な筆致から生まれるリアルさに驚く。また、アニメ用の作画でエアブラシを用いる手法は当時としては新しく、タツノコプロならではのものだという。こうした作品の数々を眺めるだけでも、日本のアニメに影響を与えてきた歴史がうかがえる。

使われなかったスケッチも多数展示

ヤッターワンの準備稿(筆者撮影)

また、展示作品の中には「準備稿」と呼ばれる、実際にはアニメに使われることがなかったスケッチも多数含まれている。

「本来であれば外部に出るものではないので、ファンの方にとっては貴重な機会だと思います」(中津氏)

セル画などと見比べて、当初のアイデアが最終的にどう変わったか、探してみるのも楽しいだろう。

『昆虫物語みなしごハッチ』のコーナーになると一変して、明るいファンシーな色調、キャラクターのかわいらしさに心がなごむ。3男の吉田豊治が九里一平のペンネームで描いた原画は、ボタニカルアートを思わせる繊細な線で構成されている。

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