「中学受験をせずに伸びる子」の本質的な理由 「オール公立」で難関大に受かる生徒の生活

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◆けじめを自分でつけられる力

勉強と遊びのメリハリをつけさせたいと思って「勉強をやりなさい!」と言うのではなく、日常のささいなこと、たとえば食事や起床、就寝といった毎日実行している部分で“けじめの習慣化”を行うとよいでしょう。一事が万事であり、勉強以外の部分から入っていくと勉強も習慣化されていく可能性が高いのです。勉強も生活の一部であり、習慣化の構造が生まれてきます。また、このようなけじめができるようになると、やがて勉強への集中力が高まることにつながります。

自主的にやらせる環境を作るとよい

◆自分の大好きなことを追求する力

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子どもが興味関心を持ったことに対して、可能なかぎり制限を加えずに、自主的にやらせる環境を作るとよいでしょう。徹底してやらせる環境を子どもに与えてあげることは、今後大きな見返りとして返ってくることでしょう。

しかし、自分の好きなことを追求するあまり、けじめがつかなくなるのではと心配されるかもしれません。そのときは、子どもにどうしたらいいかを自分で考えさせて実行させます。今は追求をとるか、けじめをとるか、子どもは自分で判断します。自分で判断したことは、強制されたこととは異なり、責任と自覚、さらに自主性につながるため、これも重要な家庭教育の一環となります。

もちろん、読み書き計算といった基礎学力というものは大切です。しかし、それ以上に重要なことは、「考える力」を持っていることであり、その「考える力」の源泉はどこから来るかといえば、それはこの3つの力からやってきていると考えています。ですから、家庭内においてこのような子どもの能力を開花できるような環境を作っていくことが大切でしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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