「フォーミュラE」に日本勢は参戦するのか? 注目レースのトップに直撃インタビュー

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――フォーミュラEの現状に満足しているか。

フォーミュラEには足りないものが2つある。日本の自動車メーカーとアメリカの自動車メーカーの存在だ。しかし、この点についても近々、良いニュースが届けられると思う。われわれはフェアなルールを整え、すべてのメーカーに門戸を開いている。

フォーミュラEホールディングスのアレハンドロ・アガグCEO(筆者撮影)

――それはアメリカの自動車メーカーについてか。日本の自動車メーカーについてか。

アメリカのメーカーはEVで少々、出遅れている。技術に関しては日本メーカーのほうが進んでいると見るべきだろう。

――米国にはテスラ・モーターズという有力なEV専業メーカーがある。なぜテスラはフォーミュラEに参戦しないのか。

もちろん、誘った。4年前にカリフォルニアに行って直接、イーロン・マスクと話をした。しかし彼は「今は参戦するつもりはない」と言った。ベンチャー企業のテスラには他の自動車メーカーのようなレースの伝統がないのだろう。しかし私は希望を失っていない。いつの日か、テスラがフォーミュラEに参戦してくれるよう、働きかけを続けていく。

日本での開催も計画

――フォーミュラE日本開催の可能性は。

ぜひ実現したいと思っている。東京都知事、横浜市長とは何度か話をしている。東京都知事は変わってしまったが、今後も話し合いを続けていきたい。

――明日7月30日は今季最終戦だが、来季以降はどんな戦略を立てているのか(注:インタビューは7月29日に実施)。

来季はファンの獲得に力を入れる。テレビ放映だけでなくインターネットでの配信も拡大し、フェイスブックなども積極的に使っていく。次のシーズン5はレース車両が新しくなり、新しいバッテリーも投入される。より魅力的になるだろう。

大西 康之 ジャーナリスト

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おおにし やすゆき / Yasuyuki Onishi

1965年生まれ。愛知県出身。1988年早稲田大学法学部卒業、日本経済新聞社入社。欧州総局(ロンドン)、日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員などを経て2016年4月に独立。著書に『稲盛和夫 最後の闘い JAL再生にかけた経営者人生』『ファースト・ペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』(以上、日本経済新聞出版)、『三洋電機 井植敏の告白』『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』(以上、日経BP)、『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』(新潮社)、『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』などがある。

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