24歳・芸歴8年「地下アイドル」の堅実な仕事観 文筆でも稼ぐ彼女は闇雲に一番を目指さない

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大学を卒業して、まる2年が経った。まだ24歳だが、芸歴は8年になる。かなりハードに働いているのだから、かなりの収入があるのではないだろうか?

「うーん、これだけ働いて稼いでいないって言ったら、ファンの人たちに逆に心配されてしまいますね(笑)。祖母から、おカネは盗んだらいけないけど、稼ぐのは悪いことじゃないと言われて育ちました。

あと、収入はほとんど、貯金してます!! なぜか小さい頃から、貯金箱が大好きだったんです。

家計簿もずっとつけています。つけないと、不安じゃないですか? レコーディングダイエットみたいなもので、自分が何におカネを使ったか知りたいんですよ。

家計簿をつけていると、収入が減ったときに、『あ、ヤバイかも』って早めに感じることができて、実際に何か行動するわけではないのですが、その焦りが新しい仕事を呼び込んでくれるように感じます。おカネをためても、特に欲しいものはないんですが、何かを欲しいと思ったときに、おカネがなくて買えないっていうのが嫌なんですよ」

今までで、たくさんおカネを使ったことは何かと聞いてみると、

「大学の奨学金を一括払いした」

「自動車の教習所を一括払いした」

だと言う。“ザ・堅実”である。

「もし子供ができたら、……今のところ作る予定はないんですが、もしできたらおカネをかけてあげたいな、とも思っています」

一番を目指すのだけが、頑張りじゃない

最近では、イベントに出演する回数は変わっていないが、司会業などが増え、歌を歌うイベントは減ってきている。

「歌以外の仕事が増えてしまっているから、そろそろ“地下アイドル”っていう名称は変えなきゃいけないかな?と思ってます。でも、将来の不安は全然ないんですよね」

もともとアイドルやライターで爆発的に売れたいと思っていたわけではない。だから、いつ違う仕事をしてもいいな、と思っている。これから、どう身を振っていくのかが大事だな、とは感じているが、だからといって自分から能動的にやりたい活動はなく、これまでどおり、人から求められる仕事をしていきたいと思う。

川の流れに身を任せるような心境だ。

「こう語ると『もっと頑張れよ!!』と怒られちゃいそうですね(笑)。でも、ただやみくもに一番を目指すのだけが、頑張りじゃないですよね。毎日を、やりすごしていくのも、頑張りの1つだと思うんです。

これまでどおり、人から求められる仕事をしていきたい(筆者撮影)

とにかく体さえ元気ならなんとかなると思って最近は山に登ったりしてます」

と、姫乃さんは笑顔で語った。

話しているうちにまんまと

「なんかいいな。なんかかわいいな」

と応援したくなってしまった。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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