24歳・芸歴8年「地下アイドル」の堅実な仕事観 文筆でも稼ぐ彼女は闇雲に一番を目指さない

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「ライターで稼ぐというのは、アイドルとしてファンと対等な関係を築くために、とても大事なことだと思いました」

地下アイドルとしての活動だけだと、どうしてもファンからの収入に頼ることになる。つまり、ファンに頭が上がらなくなる。

「かまってくれないなら、ファンやめちゃおうかな~?」

なんて、甘えてくるファンに対して媚びずにいるためには、地下アイドル以外の収入が必須だった。

大学に通いながらの、アイドル活動、執筆業、とそれだけでも忙しかったが、まだアルバイトも続けていた。具体的には、カラオケ、デパート、ビストロホール、などで働いた。

「正直、意地で働いていました。最後のほうは、アルバイトの収入は月3万円くらいになっちゃってたんですが、それでも続けてました。何というか、学生としての金銭感覚を忘れたくなかったんです」

アイドルのイベントではチェキと呼ばれる物販がある。お客さんと一緒にインスタントカメラで写真を撮っただけで500円の収入になる。うまくいけば、短時間で多額の現金が懐に入る。そうして簡単におカネが稼げるので、金銭感覚を崩してしまうアイドルもいるという。

「チェキやってたら、一生お小遣い稼げるじゃん」

と言って、高校もアルバイトも辞めた子がいた。はたから見ていて、その楽観さは姫乃さんにとって恐怖以外の何物でもなかった。自分はそうならないために、あくせく働いていたのだが、そのためにミスを犯してしまった。

「就職活動をするタイミングを逃しちゃったんです。就職課に行ったら

『え? 今から就活するんですか?』

って驚かれました。結局、エントリーシートが何なのかさえわからないまま、私の就活は終わりました」

「会社では働けないタイプ」と気づく

姫乃さんは、実はごく最近まで

「私は、将来はOLになるんだろうな」

と思っていたという。

卒業後も、目の前の仕事が途切れて、一区切りしたら就職しよう、と思っていたのだが、仕事は途切れなかった。そのままフリーランスで、地下アイドル、ライターを続けるうち、最近になって

「私は会社では働けないタイプだな」

と気がついたという。

「今までも『姫乃さんはOL無理でしょ?』とか言われてたんですが、冗談だと思ってたんです。でも最近になって、朝起きるの苦手だったり、人間関係を長く続けるのが苦手だったり。ああ、私は会社勤めは無理な人間なんだな、と思うようになりました」

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