24歳・芸歴8年「地下アイドル」の堅実な仕事観

文筆でも稼ぐ彼女は闇雲に一番を目指さない

入学してすぐにアルバイトを始めた。

「実家が自営業だったので、家族が働く姿を見て育ったおかげかもしれないですが、おカネを稼ぐというのがすごい好きなんです。自分の働いた時間が、明確におカネになって返ってくるというのが楽しいんです」

そして放課後は、DJバーやクラブに出入りするようになった。そこで知り合ったDJの人たちから、「アイドルのイベントがあるんだけど来ない?」と誘われる。それまではアイドルには特に興味を持ったことはなかったのだが、なんとなく楽しそうだったので足を運んでみることにした。

テレビに出ていないアイドル

姫乃さんの思うアイドルとは?(筆者撮影)

アイドルのイベントが開かれると聞いたライブハウスは、歌舞伎町の地下にある、いかにもあやしいスペースだった。壁には毒々しいSMイベントのポスターなどが貼ってあって驚いた。

「アイドルといえば、モーニング娘。くらいしか知らなかったから、そのアイドルたちが、こんな場所でライブをするの?ってビックリしました」

そしてそこで、初めてテレビに出ていないアイドルを見た。

「普通のお姉さんたちが、普通の歌(オリジナル曲でない、誰かの歌)を歌っている……というのが最初の印象でした。お客さんの数もあまり多くないので、手を振りあったりとコミュニケーションも多くて。

その様子を見ていて、心から

『めちゃくちゃかわいいじゃん!! 応援したい!!』

と思ったんです」

会場に女子のお客さんは少なかったので好奇心を持たれて、イベント後にアイドルから声をかけてもらった。

少し話していたら、相手は冗談半分だったのかもしれないが

「私の主催のアイドルライブに出てみる?」

と誘われた。そして、姫乃さんが高校2年の4月のとき、アイドルとしてひっそりデビューした。

姫乃さんの思うアイドルとは、第一に、人前で歌を歌うことだ。ただし、技術が人間性を上回らないという条件がつく。つまり、歌がうますぎたり、ダンスがうますぎたりすると、それはアイドルではなくなってしまうというのだ。

アイドルたるもの人柄で、

「なんかいいな。なんかかわいいな」

と思って応援してもらえる人でなければならない。

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