大都市の異常な「住宅価格高騰」が招く悲劇

東京は他都市に比べて住宅を手に入れやすい

一方、ニューヨーク(5.7倍)、モントリオール、シンガポール(ともに4.8倍)、東京と横浜(4.7倍)、シカゴ(3.8倍)は、国際都市でありながら、住宅は比較的手に入れやすい。

確かに、データは厳密なものではないかもしれない。たとえば、どこまでを都市部とするか、境界線の設定の仕方でも数字にバラツキが出るだろう。世帯人数が大きな都市では、他の都市に比べ、家のサイズも大きくなりがちだ。

なぜ住宅価格が高騰する都市が存在するのか

とはいえ、住宅の手に入れやすさは都市によって大きく違う、という調査の基本的な結論は変わらないだろう。問題は、なぜ住宅価格が法外なまでに高騰する都市が存在するのか、である。

多くの場合、これは住宅開発を阻む障壁と関係がある。水域や土地の傾斜といった物理的な制約が住宅開発を難しくし、価格高騰につながっているとの研究がある。

住宅開発の障壁には、政治的なものもある。中間層向けの住宅を大量に供給すれば、住宅は手に入れやすくなるだろう。しかし、すでに高い値段のついた住宅を所有している人たちからすれば、このような開発を支持する前向きな理由はほとんどない。自らの資産価値を下げることになるからだ。結果、自治体も住宅開発に許可を与えるのに後ろ向きとなる。

ある都市が「偉大な都市」となるには、市場メカニズムによって貢献度の低い低所得者層が排除されるのを甘受すべき場合があるかもしれない。だが多くの場合、年収に対してあまりにも住宅価格が高くなった都市は、「偉大な都市」というより、不寛容で、人道的な助け合いの精神に乏しく、多様性に欠けるものだ。危険な社会的反目の温床となるのである。

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