ベンツの弟分「スマート」が躍進している理由 京都の"古民家"に専売ディーラーを開設

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MBJはこれまでも京都府と提携しており、京都の魅力を伝えるプロジェクト「もうひとつの京都」に昨年から参加。4月からは、京都駅前で利用できるカレコのカーシェアサービスにスマートを6台提供。さらに今回のプロジェクトに合わせて6月、京都府と地域活性化連携協定を締結した。

スマートセンターの入り口にある金のスマートは金閣寺をイメージ(記者撮影)

今後は観光事業の振興や伝統事業の継承、地域活性化への取り組みで協力していくという。街乗りに適したライドシェア事業などの展開も検討する。

上野社長は「京都府とは以前からさまざまな取り組みを続けており、ご縁がある。スマートに乗って、京都市内の観光地以外の京都も楽しんでもらいたい」と、プロジェクトへの期待を込めた。

親会社は排ガス不正の渦中にいるが…

今年2017年は、スマートとメルセデス・ベンツを合わせた日本での販売台数で、5年連続の最高記録更新に期待がかかっている。だが5月23日、本国ドイツではディーゼルエンジンの排ガス不正への関与について当局の捜査が入った。これに対し同社は7月21日、欧州、日本、韓国でディーゼル車の無償改修を行うことを発表した。

今後の捜査の進展によっては、日本での販売にも影響が出てくる可能性も否定できない。この逆境を乗り切れるのか。スマートが担うべき役割はそのサイズ以上に大きいといえる。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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