日本の会社員が「世界最低」となる指標は何か 社員エンゲージメントを知っていますか

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では、エンゲージメントに影響を与える要素にはどのようなものがあるのでしょうか。企業は、どのようにしてエンゲージメントを高めればよいのでしょうか。エンゲージメントに影響を与える要素としては、基本的な雇用条件などのほかに、「キャリア形成の機会」「学習や能力開発の機会」「業績管理」「報酬や評価」などがあります。

どの要素がエンゲージメントを上げる要素になるかは、各個人や会社、国によっても傾向が異なりますが、日本人は、「キャリア形成の機会」や「業績管理」を大切にする傾向があるそうです。しかしながら、日本企業は業績管理制度が不十分で、キャリア開発、ラーニングといった人材開発が弱いという傾向があります。つまり、社員の求めるものと企業が提供している制度が合致していないのです。

「成長機会」を求めるミレニアル世代

また、今後のビジネスを担っていくミレニアル世代(1982年以降に生まれた世代)は「成長」をとても重視しており、その会社で自分が成長する機会があるか、そしてキャリアパスを自分で切り開くことができるかということにこだわりがあります。

成長機会を重視するこの世代は、2016年のデロイト社の調査によると、世界的に見ても転職することに抵抗が少ないそうで、5年以内に会社を辞めると答えているミレニアル世代は、日本では52%います。欧米ではもっと高く、アメリカでは64%、イギリスでは71%に上ります。

これは、非常に由々しき事態です。会社が社員に能力開発や学習の機会を提供して成長する場をつくり、さらにその成長とキャリアパスをつなげる努力をしなければ、若い社員たちがいとも簡単に会社を去ってしまうのですから。

ところが、日本企業は「社員エンゲージメント」の重要性をそもそもあまり理解していないため、エンゲージメントを向上させるという努力をしていない企業がまだ多いのが現実です。日本の経営者は「そうはいっても、利益も出ているから」という現状にあぐらをかいて、外国企業がエンゲージメントを上げて筋肉質な会社へと体質改善しているという現実を見ていないのです。このままでは、国際的な競争力は相対的に低下してしまいます。

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