一方、クルチダルオール氏が自らの目標だと語っていたのは、議会再強化による大統領権限の制御、公正な司法制度、そして報道の自由だ。
こうした多様な目標の受け皿となるような一貫した政治基盤を築き上げられるかどうか、CHPの指導力が試されることになろう。
今回と似たような自然発生的デモはここ数年で何度も起きている。しかし、そこで掲げられた改革が実現したことはない。今回も同様の結果をたどる可能性がある。
抗議デモはトルコ政治の流れを変えるか
昨年7月のクーデター未遂以降、戒厳令は今も敷かれたままだ。今年4月の国民投票で、エルドアン大統領は自らに強大な権限を与える憲法改正に成功したが、野党との対立は深まり、野党支持層も増えた。ある調査によれば、国民投票で賛成票を投じた有権者の7%までもが今回のデモを支持した。
7月の抗議デモがトルコ政治の流れを変えるかどうかを見通すのは、まだ早い。ただ、野党支持者が増えているとはいっても、エルドアン大統領の存在は強大だ。クルチダルオール氏が言う「新たな始まり」への道のりは遠い。
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