汚部屋がスッキリ!親の家を片づける技術 ミニマリストが実践した「BEFORE・AFTER」

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ただし、親の家の片付けは、自宅の片付けとは事情が異なります。何しろ今も親が生活しているのですから、好き勝手に片付けを進めるわけにはいきません。ここでは、「親の家の片付けだからこそやるべき原則」を5つ紹介しましょう。

【原則①】捨てるが先、考えるのは後

汚部屋がなかなか片付かない家は、「考えすぎて結局捨てられていない」場合が多いです。「そんなこと、当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、「捨てるが先、考えるのは後」という片付けの鉄則が、意外とできないのです。

親の家の片付けは、遺品整理などある日突然始まります。私の今回の片付けもそうでした、理想の暮らしを考える前にとにかく捨てなければ、何も始まらないのです。

捨てることは、物事の優先順位を決めることです。捨てて、捨てて、捨てて、捨てて……その先に残ったものこそが、その家に本当に必要なもの、その家の価値観に合ったものです。そういう意味では、捨てることで、あえて「理想の暮らし」を考えなくても、おのずと自分の部屋のスタイルが決まってくるともいえます。

私の義母はもともとたくさんの「いただき物」を捨てられず、ため込んでいる人でした。結果、自分は何が好きなのかもあまり考えないまま、「もらったから」という理由で、ピンクのこたつ布団や柄物の掛け布団など、派手なインテリアに囲まれた部屋で暮らしていました。

ところが、いらないモノを捨てた結果、部屋の趣味が驚くほどシックに変わっていました。本人曰(いわ)く「もらいものを飾るうちに、どんどん物が増えていった」とのこと。義母は捨てることによって、ほんの少しですが自分にとって大事なものがわかったようです。

具体的にゴールを決める

【原則②】片付けの「終わり」を具体的に決める

「最終的に、どんな部屋、暮らしを目指すか」というゴールは、具体的に決めておく必要があります。わが家の場合は、次の4つが具体的なゴールでした。

① 別居している義母を家に帰す(そのために、義母が戻ってきて暮らせるように、亡くなった祖父の家を片付ける)
② 私たち家族が二世帯住宅に住めるようにする
③ 人を呼べる家にする
④ 家族みんなで、庭でバーベキューをする

これは、親の家を片付け始めるときに、義父母と話し合って決めたものです。片付ける前のわが家には、このような現実がありました。

① 家がモノであふれ、義母の居場所がなく別居していた(亡くなった祖父の家は2年間放置)
② 引っ越しの荷物が運び込めないほど、先住の親族のモノが残っていた
③ トイレが汚いことを嫌がって、孫や近所の人があまり寄り付かなくなっていた
④ 庭にモノがあふれていたため、バーベキューの道具を出す場所がなかった
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