民進党、蓮舫代表会見でも「解党論」くすぶる 「戸籍書類」公開、吉と出たのか凶と出たのか
蓮舫氏の会見を受けて、同氏の戸籍公開を求めていた民進党の今井雅人衆議院議員は「誠実に説明されたと評価したい」と語った。代表の二重国籍問題は、「加計」疑惑を安倍政権攻撃の「最大のチャンス」と位置づける民進党の「泣きどころ」ともなっていただけに、同党執行部も「これで一安心」と蓮舫氏の決断を歓迎している。
ただ、同党の都議選惨敗の総括はまだ終わっておらず、選挙を指揮した野田佳彦幹事長の責任問題も含め、蓮舫執行部の苦しい立場が解消したわけではない。蓮舫氏も臨時会見の最後にあらためて代表続投の決意を問われると「今日は、ごめんなさい。戸籍の話でしっかりと説明させてください」と明言を避けた。
民進党は2016年夏の参議院選惨敗の責任をとって岡田克也代表(当時)が辞任したことに伴い9月に代表選挙を実施。蓮舫氏と前原誠司元外相(元民主党代表)、玉木雄一郎幹事長代理の3氏が出馬したが、地方議員と党員・サポーターによる「地方票」の6割超を獲得した蓮舫氏が「議員票」との合計でも前原氏などを圧倒して第2代民進党代表に当選した。
代表選挙戦序盤に「二重国籍疑惑」を否定し続けながら、最終盤では説明を変えた蓮舫氏を、前原氏が「リーダーになる人はうそをついてはいけない」と批判。党内でも「党が崩壊する」などの懸念の声が出てきた。国民的人気を背景にしたはずの蓮舫新代表誕生をめぐる党の内紛が、民進党支持率の低迷につながったともされる。
安倍政権の支持率急落でも、政権交代を迫れない
蓮舫新体制の求心力不足が安倍政権の1強ぶりを際立たせ、「民進党の弱さが安倍政権の"暴走"を支えている」との批判を生んだ。その安倍1強政権は、今年の通常国会会期末の「共謀罪」法をめぐる強引な手法が国民の批判を浴び、7月2日の東京都議選で自民党は歴史的惨敗を喫した。
ただ、勝ったのは小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」。8年前の民主党時代の都議選で第1党(54議席)となった民進党は、今回その1割にも満たない5議席と惨敗し、「首都で党消滅」の危機に瀕している。都議選後、同党幹部や有力議員から「代表の二重国籍問題が最大の敗因。まず戸籍を公開すべきだ」との声が相次ぐことになった。
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