民進党、蓮舫代表会見でも「解党論」くすぶる 「戸籍書類」公開、吉と出たのか凶と出たのか
「究極の個人情報」とされる戸籍の公開の是非については政界でも意見が割れ、専門家からも「公開は排外主義を助長しかねない」との厳しい批判が相次いだ。会見で「これを前例としてほしくない」と訴えた蓮舫氏は、公党のリーダーとして「差別を助長しない社会をつくる」と力説した。これに対し、「なぜ今さら公開するのかわからない」(自民幹部)との声も多く、「民進党の党勢低迷と党内混乱を加速させかねない」(若手)との厳しい見方も広がる。
問題発覚の際も「出生の問題に立ち入るのは差別だ」との批判もあり、ネット上などでも公開の賛否が交錯していた。確かに、法律上は国籍が厳しく問われるのは外交官だけで、政治家には法的制限はない。ただ、蓮舫氏の場合は「公人としてその場しのぎのようないい加減な説明を続けたことが疑惑拡大の原因」(民進党幹部)で、「政権交代時の首相候補とされる野党第1党党首の『資質』が疑われる」(同)という事態を招いたことに問題がある。
蓮舫氏と同様に「二重国籍」状態が発覚したが、手続きをとって今年5月に正式に解消した自民党の小野田紀美参議院議員は、「国籍法に違反していないことを証明できるのは、国籍の選択日が記載されている戸籍謄本のみです。ルーツや差別の話なんか誰もしていない。合法か違法かの話です」と自らのツイッターに書き込んだ。
蓮舫氏の会見の直前には、オーストラリアで野党の上院議員2人の二重国籍が発覚して議員辞職したことが報じられた。同国では憲法で議員の二重国籍が禁じられているためだが、当該議員の「他国の国籍は放棄したと思い込んでいた」との説明は蓮舫氏と変わりがない。
タレント時代の発言は「浅はかだった」
蓮舫氏はタレント時代に雑誌などで「私は台湾との二重国籍だ」「中国籍だ」などと発言していたが、臨時会見でその点を突かれると「事実の確認や認識、あるいは法的評価を混同して発言していた。ずいぶん浅はかな発言だった」「当時私は蓮舫という名前で、アジアのダブルのルーツを持っているという部分でキャラクターを立たせる形で、タレント、その後はニュースキャスターをしていた。中国や香港、台湾、アジアの問題と日本をつなぐジャーナリストの役割を果たしたいという部分を、自分のルーツをもとに際立たせていたこともある」と釈明した。
「当時はうそをついていたということか」との追及にも「二重という部分でも、ダブルのルーツという言いぶりだったと思う。私の中では、ハーフであり多様性があり、2つのルーツ、アジアに拠点を置く活動をしていく立場に自分がなりたいという思いで、それでいくつか強調して話したことがあるのだと思う」と交わしたが、「当時から二重国籍ということがわかっていなければそんな発言はしないはず」(自民幹部)との疑問はぬぐえない。
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