老舗大企業ほど苦手なイノベーションの本質

モノとサービスを総合的に見る視点が必要だ

「哲学的な問い」が長期的な利益を生みます(写真:Sergey Nivens / PIXTA)

「日本の『もの言わぬ文化』では、自分の意見を出すことさえ難しい」

「大企業のような柔軟性に欠ける組織では、保守的な壁にはばまれて、新しい動きは無理」

イノベーションの話をするとき、特に日本のビジネスパーソンの間からは、こうした自虐的な声が聞こえてきます。「ロウソクが実は成長産業であるという意味」(7月5日配信)「デザイン思考の先を行く『意味の革新』の本質」(7月12日配信)では、製品の「意味」を変えることで革新的な変化を起こす「意味のイノベーション」という考え方を紹介しました。

そうは言っても、「イノベーションにデザインが使えるというけれど、デザインの意味をわかっていない日本人には縁遠い話だ」というちょっと投げやりな態度も見えたりします。

イノベーションが強く求められているが、簡単ではない

実際のところ、イノベーションはどの国のどんな組織にとっても簡単なものではありません。先進国ではどこも「効率的にモノを量産しても売れない」という状況に陥っているため、イノベーションが強く求められています。それにもかかわらず、こうした国々ではある程度のルールが文化的に定着していることもあって、それぞれの人たちがそれぞれの立場で苦労しています。私自身も仕事の関係で、イタリアを拠点にヨーロッパの多くの国々を見てきましたが、この点では、ヨーロッパと日本との間に大きな違いはないのです。

欧州委員会がまとめた、興味深いデータがあります。2011年から2013年の3年間に、少なくとも1つのイノベーションを導入した企業の79%は、3年間に売り上げが25%上昇したというのです。つまり、「イノベーションが売り上げ増に貢献する」ということはわかっていますが、企業規模で見ていくと、イノベーションの導入率に大きく差が出てきます。

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