ロウソクが実は成長産業であるという意味

衰退産業をよみがえらせる「意味の革新」

もともとは手元を明るくするという「意味」が変わったことが大きいのです(写真:MalkovKosta / PIXTA)

アップルやダイソンの成功例に代表されるように、「デザイン」が経営に役立つものとして語られるようになって久しくなりました。ただ、実際のところ、いまだにそれぞれの人が、自分の考える「デザインと経営」の話をしているような状況はあまり変わっていません。

経営者やビジネスパーソンは経営の言葉で、デザイナーはデザイナーの言葉で、それぞれ自分のかかわったものを中心に話しますが、たいていは経験を基にした「自慢話」になってしまっていて、エビデンスに欠けていることも多いものです。

「デザインで成功した」は本当か?

一方で、世の中には「デザインで成功した」という話が出回っています。「本当にそうなの?」と思いながら聞いている人も、「わが社は出遅れているのでは?」と焦りを感じている人も、どちらも少なくないのではないでしょうか。

拙著『デザインの次に来るもの』(八重樫文氏との共著)には俯瞰(ふかん)的な視点からデザインと経営のあり方を詳しく書きましたが中心となるのが「意味のイノベーション」という考え方です。これは、イタリアのミラノ工科大学ビジネススクールでイノベーションを教えるロベルト・ベルガンティ教授が提唱している経営戦略です。

「意味のイノベーション」は「ブルー・オーシャン戦略」と近い考え方です。ブルー・オーシャン戦略はその名のとおり、「青い海」。競争環境が激しくない領域を攻める戦略で、血で血を洗うような競争の激しい市場で戦う「レッド・オーシャン(赤い海)戦略」と対を成す概念です。

一方、「意味のイノベーション」は、欧州委員会が促進するイノベーション政策でも重視されている考え方ですが、あまりなじみのない言葉です。どういうものが「意味のイノベーション」なのか、いくつかの事例を挙げていきましょう。

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