フリーゲージ、国の見方は「完成へあと一息」

コストは倍、試験再開時期は未定だが…

2014年に登場したフリーゲージトレインの試験車両(記者撮影)

九州新幹線長崎ルートでの導入を予定しているものの、車軸の摩耗などの不具合により開発が遅れているフリーゲージトレイン(FGT)。国土交通省は7月14日、台車に改良を加えて昨年12月から実施した走行試験でも車軸に磨耗が見つかったことを明らかにし、2022年度の長崎ルート暫定開業時には、FGTの先行車両導入は間に合わないとの見解を示した。

課題だった車軸の磨耗は「従来の100分の1」(国交省)まで軽減され、国交省の担当者は「もう一息」という一方、専門家による技術評価委員会は、耐久走行試験の再開には引き続き検証が必要と評価。長崎県内などでは、見通しの立たないFGTより「フル規格化」を求める声も出ている。来月中にも方針を決めるという与党の整備新幹線プロジェクトチームは、どのような判断を下すことになるか。

60万km走行試験、3万kmで不具合

FGTは車輪の幅を変換することによって、線路幅が1435mmの新幹線と1067mmの在来線を直通可能な車両だ。3世代目となる現在の試験車は、実用化に向けた経済性や保全性の検証を主な目的として2014年春に完成。同年10月から、車輪幅の変換を行いながら新幹線と在来線を60万km走行する「3モード耐久走行試験」を開始した。

だが、約3.3万kmを走行した同年11月末、車軸や軸受けに磨耗や欠損などの不具合が発生していることが判明し、試験は中断。原因の調査を踏まえて改良を施した台車を、室内の試験装置で高速回転させる「室内台車回転試験」などで対策の効果を確認したが、実際の線路で60万kmを走行可能な耐久性があるとの判断は難しいとされた。

次ページコストの試算は「一般の新幹線の3倍」
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