「82歳のライフシフター」が抱える希望と恐怖 3世代の実践者が語る「本音」とは
それでも僕はどうしてもやりたかった。何度もしつこく自分の計画を伝えて、説得する日々。しまいに「あんたは言い出したら聞かないからね」とあきらめさせて、大学を辞めたんです。
そうしていよいよアパレル通販を開始したのですが……やっぱり考えが甘かった。3カ月もしないうちに事業は失敗に終わってしまったんです。大企業には勝てません。資金力が違いますから、もっと安くて質が良いし、広告にもおカネをかけている。これは駄目だ、と。
この頃、同時に抱いていたのがWebディレクターという職業への憧れでした。Web制作会社にECサイトを外注したのですが、担当していただいたWebディレクターさんの仕事ぶりがすばらしく、かっこよかったんです。僕もあんな仕事をしてみたいなあと。
しかし「そもそもWebディレクターってなに?」という状態。やるなら一からになるし、いまさら無理だろう。でも、僕は大学を辞めた身です。辞めたからこそ挑戦できるんじゃないか、今やらなければ後悔すると決めました。
猛烈に勉強して、2014年からは「Lancers」のクラウドソーシングサービスを利用して、Webディレクターとして仕事を開始しました。おかげさまで実績が積み重なり、現在に至ります。
僕は100年人生のなかで、興味を持ったビジネスには何歳になっても挑戦したいと思っています。やらない後悔は絶対にしたくない。一方で、いずれは結婚もしたいなと考えてもいます。ただ、僕のような挑戦、挑戦の人間は、結婚できるのかな……。とにかく、今はいろんな経験を得たいですね。
40代のライフシフトは「挑戦+成長」がカギ
石水修司氏(以下、石水):私は今年で48歳になります。出身地の愛媛県でフリーランスのCGクリエーターをやっています。1992年に大学を卒業して大手食品会社に就職、23年間研究員として働きました。商品管理、システム開発、マーケティング、販促映像制作といろんな仕事をしましたが、ずっと「このままでいいのだろうか」という疑問を感じていました。
世間では「40代はハズレを引いた世代」なんて言われます。バブル世代の50~60代は、働けば給料が上がり、ボーナスも出て、それなりの役職についていい生活ができた。でも40代は、そんな上の世代が詰まっていて役職もさして上がらず、不況にも見舞われて給料も上がらない。30代は、そんな姿を見て「このままではいかん」とスキルを磨いてシフトしていく。
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