さらにこだわったのが、トラック製造工程の展示だ。量産される乗用車とは異なり、オーダーメイドの色彩の強いトラックが製品の形になるまでを体験学習できる。
営業マンの商談を体験するゲームでは、「雪道でも走れる強いものが欲しい」「小回りがきくものがいい」といった客の要望を細かく聞き、それに見合った商品を提案する過程をクイズ形式で学べる。トラックの用途の幅広さを感じられる。
タッチパネルに映るトラックを指で広げると、車体の中にある数万の部品の間に潜っていく感覚を味わえるバーチャル図面は、迫力満点だ。藤沢工場を20分の1で再現した動くミニチュア製造ラインは、壁に貼ってある資料まで実物と同じという忠実さだ。
極めつけは、歴代のいすゞ車を43分の1サイズにしたミニカーを110台もずらりと並べた「いすゞ年表」。特に初期の車は現存しておらず、写真も設計図も簡単なものしかなかったが、ミニカー会社や当時の開発者に取材を重ね、一つずつ作りあげた。これでいすゞの歴史が一目でわかるようになっている。
ミュージアムに巨額投資をした理由
いすゞプラザの総合監修を務めた、コーポレートコミュニケーション部プラザグループの中尾博氏によれば、総工費は「数十億円レベル」。これだけのカネを投じて、なぜ今、いすゞは大掛かりなミュージアムを作ったのか。実は、博物館を作るアイデアは前からあった。しかし、過去の経営難を引きずってきたこともあり、予算が取れず実現していなかった。
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