路線価、銀座は26%上昇でついにバブル超え なぜ銀座の地価がうなぎ上りなのか

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こうした再開発やホテルの建設ラッシュに加え、周辺の土地や商業ビルの売買も活発で、地価を押し上げている。象徴的なのは、阪急電鉄が2016年8月にオンワードから購入した並木通り沿いの一等地。阪急は約93坪の土地を135億円で取得し、坪単価は1.4億円に上った。こうした不動産の高額取引は言わずもがなだが、地価を局所的に引き上げる。国土交通省によると、2016年は阪急の事例を含めて、坪単価が1億円を超す取引が銀座で複数あったという。

この数年の地価の異様なまでの上昇で、短期的に利益を稼いだ企業も出ている。ギンザシックスは、7階から13階にオフィスが入居するが、まだ工事中だった2年前、不動産大手のヒューリックは8階のオフィスフロア全体(1630坪)を100億円台で取得。その後、市場価格が高騰し、先日このフロアを転売した同社は、数十億円の売却益を得たとみられる。

東京とそれ以外の差が開き続ける

このバブル期超えの東京の地価はこの先も上がり続けるのか。

みずほ証券の石澤卓志上級研究員は「銀座は出来すぎの部分があり上昇率は縮むだろうが、下落には至らない。かつてのバブル経済期は需要を無視して転売を狙った取引が多かったのに対し、今は実需に基づいた投資が中心で、大きく崩れる可能性は少ない」と話す。

ただ、地域間競争の激しい東京で、今後は上昇する地域と地盤沈下する地域に分かれていく気配はある。品川や渋谷はこれから再開発が本格化する見通しで、こうしたエリアの地価は上昇する可能性が高い。

一方、2017年の路線価は全国の平均値も0.4%の上昇となった。が、上昇したのは東京都を含め13都道府県のみ。2県が横ばい、残りの32県は下落となった。主要都市の最高路線価の推移を見ると、東京の上昇率だけが突出し、大阪や名古屋などではバブル期の半分以下の価格にとどまっている。東京とそれ以外の地域の二極化には歯止めがかからない状態だ。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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