「朝10分デイトレ」なら会社員でも稼げる? 年収1億円超の元ディーラーのマル秘テク

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たとえば、ある銘柄の前日の終値が100円だったとしましょう。買い板を見たとき、前日終値の100円よりも上に買い注文がたくさんあれば、今日はこの銘柄を買いたいと思っている投資家が大勢いるのではないかと考えることができます。

これとは逆に、寄り付き前の板が、100円よりも下に売り注文がたくさん入っていたとすると、売りたい人が大勢いるのではないか、と読むことができます。

板読みで大事なことは、株価の動きを先読みすることです。囲碁や将棋と同じように、何手も先を読むことで、勝利を呼び込むのです。自分がここで買ったら、ほかの投資家はどう動くか、いったい誰が参加してくるのかを、板情報の数字の動きから読み解きながら、ストーリーを描くのです。寄り付き前は、それがしやすいのです。

寄り付き前に200銘柄程度を巡回チェック

では、寄り付き前に、強い板の銘柄をどう見つけたらいいのか。ちなみに私の場合、寄り付き前に200銘柄程度を巡回してチェックします。

この作業は、午前8時くらいから行えば、だいたい8時15分くらいには一巡できます。ただし、巡回している間にも、板は変化していくので、同じことを複数回繰り返します。

8時30分に2回目の巡回チェック、8時45分に3回目の巡回チェックを行えばいいでしょう。8時45分くらいになると、多くの投資家が注文を出し始めるので、板がしっかりしてきます。

巡回チェックをしているときに、これは強そうだという銘柄が見つかったら、メモしておきましょう。

そして、8時55分くらいには、メモした銘柄のなかから、どの銘柄にするかを精査し、投資することを決めた銘柄を発注します。

無事に買えたら、今度は売りの機会を探す必要があります。たとえば、101円で買えた後、102円、103円、104円というように、どんどん買い注文が入ってきた場合は、利益を伸ばすようにします。

ただし、深追いは禁物。いくら買い注文が上に切り上がっていったとしても、午前9時10分には利益を確定させてください。

逆に、買った後、売り板株数が増えるだけでなく、売り注文が100円、99円、98円というように、どんどん下に詰まってきた場合は、できるだけ素早く撤退しましょう。

この手順をすべてこなしても、おそらく9時10分過ぎにはケリをつけられます。しかも、うまくいけば9時3分くらいには終えられることもあります。

なので、「デイトレなんて日中に仕事をしている人にはできない話だよ」とあきらめていらっしゃるサラリーマンの方でも十分できると思います。

9時30分出社の方なら、8時に会社の近くのカフェでパソコンを開いて板を巡回し、9時からの10分の取引で5000円ぐらいの利益を稼げれば、その日の飲み代も賄え、その日は1日、楽しく仕事に打ち込めるでしょう。これこそ、本当の朝活です。

実際、私が板読みトレードを教えている生徒さんのなかにも、仕事をしつつ、この方法でお小遣いを稼いでいる人がいます。

もちろん、強い板を見つけて、ストーリーを描いても、あてが外れることもたくさんあります。ただ、強い買い板なら、いつでも売ることができます。つまり、買った銘柄が見当違いだったとしても、すぐに逃げられるのです。

これは、デイトレードをするうえで、とても大事なことです。

拙著『朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術』の大きなテーマでもあるのですが、板を先読みすれば、それだけ小さいリスクでリターンを得ることが可能になるのです。

坂本 慎太郎 こころトレード研究所所長

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さかもと しんたろう / Shintaro Sakamoto

こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。大学卒業後、メーカー勤務を経て、日系の証券会社でディーラーとして活躍。その後、大手生命保険会社に転職し、株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを経験。現在は、個人投資家として、日本株を中心に、短期は「板読み」に、中長期は「ファンダメンタルズ」に重きを置いた運用を行う。同時に、為替、商品先物、不動産などの投資も手がける。また、株式評論家としてラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演、講演やセミナーなどを行い、人気を博している。著書に、『朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術』(東洋経済新報社)などがある。

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