楽天の田中投手は、松井も白鵬も超える? グローバルエリートが野球にも参戦

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田中投手連勝の経済効果

私は「なぜ田中投手が勝ち続けているのか」など知りもしないことをネットで調べただけで書いたりはしない。しかし時価総額1兆6000億円の会社のブランド力に大きな影響を及ぼしうる楽天球団が優勝したとき、ご祝儀相場で株価が3%上がったとしても480億円の影響があることになる(短期のラリーが続かないことを見越したヘッジファンドがすぐショートをかけるが、それをわかっていても一時的に上がるのが資本市場の悲しさだ)。

もはや楽天の名前を国内で知らない人はいないので楽天の知名度アップに大して影響はないのかもしれないが、「楽天=ナンバーワン」というイメージが潜在的に刷り込まれる効果もあるだろうし、新規顧客へのコンバージョンやリピート率向上への効果もあるだろう。

また田中投手の活躍の波及効果で、チームメンバーも優勝チームの一員として昇給などで恩恵を受けるだろうし、田中投手と結婚した里田まいさんへの評価もかなり上がっているようである。実際に本当に里田さんとの結婚が、この大記録にどれだけ影響したのかは不明だが、里田さんは、昔の“おバカタレント”という参入障壁の低いポジショニングから、“旦那を大成功させた賢妻”という、得難き芸能ブランドを手にすることとなった。

歴代楽天監督への評価が再上昇

加えて無念の退陣を余儀なくされた野村監督も“まーくん育ての親”として評価がさらに上がるだろうし、最弱チームを優勝チームに育て上げるトラックレコードで知られる星野監督も、ご自身の持つ伝説を田中投手のおかげで再強化できそうである。

ちなみに唯一忘れていただいて結構なのが、2010年に楽天を指揮したブラウン監督だろう。傍からみれば、野村監督に退いていただいた直後に本命の人気監督を置けば反発も強いだろうから、次の本命監督までのワンクッション、という雰囲気が大いに漂っていた人事であったが、今もどこかで元気にホームベースを放り投げていらっしゃるのだろうか。

なお隠れた功労者が田中投手をくじで引き当てた島田亨社長(当時)である。この幸運がなければ、楽天グループのブランド全体にこれほど大きな影響を与える、楽天・田中将大の誕生もなかったわけである。

まぁ、島田さんのくじに関しては単なる偶然なので今さら特別ボーナスはいらないが、この楽天の球団としての大躍進と田中投手の大記録の起点がこのような偶然の幸運であったことは、世の中の大記録の多くが絶え間ない訓練に加え、偶然の幸運の産物であることに想いが馳せられる。

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