東芝、半導体売却交渉に日米韓連合を決定 買収額は2兆円程度、2019年3月まで完了目標
[東京 21日 ロイター] - 東芝<6502.T>は21日、取締役会を開き、半導体メモリー事業の売却で、政府系ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行、米系投資ファンドのベインキャピタルで構成する企業連合を優先交渉先に選定したと発表した。東芝によると、同連合は2兆円程度の買収額を提示したという。
同社は今月28日開催の株主総会までに子会社「東芝メモリ(TMC)」の売却について最終合意し、各国の競争法など必要な手続きを経て、来年3月末までに売却完了を目指すとしている。
韓国半導体大手のSKハイニックス<000660.KS>は同日、同連合に加わっていることを確認した。東芝の広報担当者は、企業連合の構成について、SKハイニックスおよび三菱東京UFJ銀行も資金の貸し手として参加していると明らかにした。
東芝は、2017年3月期で5400億円の債務超過に陥る見通し。来年3月末までにTMCの売却を完了させることで、債務超過の解消を狙っている。
年度末までに売却が完了しない場合、同社は18年3月期に2年連続の債務超過となることが濃厚で、その場合は上場廃止になる。来週に迫った株主総会までにTMCの売却先にめどをつけ、株主の不安を払拭することが同社経営陣の至上命令になっていた。
ただ、TMCの売却を巡っては、三重県四日市市の工場でフラッシュメモリーの生産で提携している米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>が、米国の裁判所に売却差し止めを申し立てている。
今後、WDが法的措置を取り下げず、裁判所が売却差し止めの判断を示せば、革新機構などの企業連合への売却手続きが滞る可能性もある。
WDは21日、革新機構などの連合への売却について声明を発表。WDの同意がなければ、東芝との合弁事業の権利を第三者に売却できないとの見解を示した。東芝が優先交渉先として選んだ企業連合への売却に難色を示した格好だ。
WDによると、差し止め申し立てに関する審問は7月14日に行われる。関係者によると、審問を経て速やかに判断が出る見通しだ。
*内容を追加しました。
(浜田健太郎)
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