衝撃!あの人気雑貨屋が平壌に出店していた 国連安保理決議に違反している疑い

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日本国内の店舗が渋谷、原宿、高田馬場、池袋の4店しかない一方、中国国内には1000以上の店舗があることから、ネットではMINISOの実態が中国企業とみなされることが多いが、前述のようにもともとの法人登記では日本企業となっている。

三宅、葉の両氏も2016年1月に、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙のインタビューに応じ、同社が日本企業であることを強調している。

銀座の本社オフィスの壁には、特許庁から2014年9月に得た「MINISO名創優品」の商標登録証が飾ってあった。

銀座の本社オフィスには商標登録証が掲げられている(筆者撮影)

JR原宿駅前の竹下通りそばにあるMINISOの中国人の女性従業員は19日、筆者の取材に対し、同店にある生活雑貨品などすべての商品が中国製だと述べた。

MINISOの品ぞろえは雑貨、化粧品、文房具などダイソーに近い。個別の商品は無印良品に似た包装のものが多くなっている。

海外で人気のある日本ブランドを強調するため、実態はともかく、日本に本社があることを強調すればするほど、平壌での店舗開設は、国連の制裁決議に基づいて対北単独制裁を続けている日本の法令にも違反するのではないかとの疑問が出てくる。

国連安保理決議に違反している可能性

同社ホームページの中国語サイトでは、今年1月18日に三宅氏と「グローバル共同創始者」の葉氏が、「朝鮮経済合作委員会の中国丹東事務所首席代表」の南誠一氏とMINISOの平壌支店開設にかかわる契約を調印した際のセレモニーを紹介している(このセレモニーを紹介した同社の英語サイトでのプレスリリースは筆者が同社を取材し始めた13日以降に削除された。ただし、そのページのキャッシュは残っている)。

国連北朝鮮制裁委員会元専門家パネル委員の古川勝久氏は筆者の取材に対し、「昨年11月30日採択の国連安保理決議2321号の第31項(北朝鮮国内における支店閉鎖の義務)に明らかに違反している。決議違反となるため、日本政府や米政府などは、安保理決議に基づいてこの企業に対して単独制裁を科さないといけない。かなり深刻な話だ」と述べた。

国連安保理決議2321号の第31項では、次の制裁措置が義務付けられている。

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