「ポテトチップス フレンチサラダ」「ポテトチップス しょうゆマヨ」「ポテトチップス 梅味」「カラビー 厚切りホットチリ味」。特に注目したいのはカラビーの終売だ。カラビーは全国的に売られていた辛口スナック菓子だが、販売が打ち切られた格好となる。
これはカルビーにとって、事実上の「敗北宣言」とも受け取れる。何に対してか。湖池屋(コイケヤ)の看板商品で辛口のスナック菓子「カラムーチョ」に対してである。そして、カルビーがピザポテトを復活させたことと裏返しの事実でもある。
販売データを見てみると…
実際の店頭における販売データから読み解いていこう。筆者は、5000万人規模の消費者購買情報を基にした全国標準データベース「TRUE DATA(R)」を使って、主要な全国のスーパーマーケットのPOSデータを調べてみた。
まずはカラビーの全国における売上高推移を見てみた。100万人がスーパーマーケットに入店したとして、その100万人単位の売上金額を調べたものだ。現在、2017年5月までのデータがまとまっている。そこから過去2年の傾向を調べてみた。
スーパーマーケットにおけるカラビーの全国における100万人当たり売上金額は、直近1年(2016年6月~2017年5月)が1カ月当たり0.3万(3000円)~2.3万円台。平均すると約9600円だ。その前の1年(2015年5月~2016年4月)を同じように見ると1カ月当たりは2.6万~4.5万円台。平均は約3.5万円台となった。
これは繰り返すと、絶対的な売上高ではなく、100万人来訪者当たりの売上金額だ。しかし、傾向は理解できる。カラビーの絶対的な勢いは徐々に低下していった。
一方、スーパーマーケットにおけるカラムーチョの全国における100万人当たり売上金額は、直近1年が1カ月当たり14万~24万円台。平均すると約19.6万円だ。その前の1年を同じように見ると1カ月当たりは15万~21万円台。平均は約17.6万円台となった。カラムーチョは安定して売れている。そしてカラビーから見れば完敗である。
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