小池都知事の「豊洲延期」は巨額損害を招いた 豊洲移転だけじゃない、五輪の遅れも深刻だ
・業者への補償/(4月の初回分、約5パーセントの業者に対し)9億円≒100~180億円(全業者)
・築地の補修費/(年間3億円超)6カ月で1.5億円
※市場の維持費、業者への補償は今後も増えていく。
これに、築地市場の維持費、市場問題プロジェクトチームの経費、関係職員の人件費などを合わせれば、年200億円を超えるという。
仮に、たった今、「豊洲に移転」と知事が決断しても、実施できるのは最短でも15カ月以上先にもなるといわれている。
だが、移転しないと決断したらどうなるか。
小池都知事が新たに立ち上げた「市場のあり方戦略本部」は、外部ブレーンではなく、副知事以下、都庁の官僚で構成されているが、この本部の会議資料には、豊洲への移転を中止した場合の「負担」について次のことが列記されている。
(1)豊洲に整備した設備等への補償
業者が豊洲市場に整備した各種設備(冷蔵庫棟、ろ過海水施設、事業者造作等)について全額(総額約310億円)補償する必要がある。(都が買い取って処分するなど)
(2)企業債返還
豊洲市場の整備財源として発行済の企業債返還のため、3500億円超の資金を用意する必要がある。豊洲市場用地売却までの間、利息負担が発生する可能性がある。
(3)国庫交付金の返納と加算金の支払い
豊洲市場の整備に当たり国から交付を受けた補助金(208億円)を返納し、年率10.95パーセントの加算金を支払う必要がある。
310億円、3500億円+利息、208億円+利息……。
補償とすでに受け取った金の返還では種類は違うが、少なくともこれだけの資金を用意する必要があり、利息負担も避けられないとなれば、市場会計はもつのか、との懸念も深くなる。
私たちの税金での負担という可能性もある
市場会計は築地だけのものではなく、他の市場の運営のためにも資金ショートという事態は絶対に避けなければならない。そうなると、私たちの税金である一般会計での負担という可能性も高くなる。
このことだけを見ても、築地に残留という選択肢はあり得ず、築地の危険施設を閉鎖することは、東京都の責任においてすべきことなのである。
たまさか私は築地市場からほど近いところに住んでいるが、明日にでも大地震が起き、築地市場の建物が崩壊するようなことになったら、市場内だけではなく近隣にアスベストが飛散する恐れがあり、直接その悪影響を受けかねない。
築地市場に安心などまったくないのである。
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