筆者の場合、この銀行取引ポイントプログラムで活用しているのが、スルガ銀行ANA支店、住信SBIネット銀行、新生銀行の3つだ。
筆者は、クレジットカード口座の振替や、携帯電話料金の引き落としなど、様々なポイント付与対象取引を組み合わせて利用することによって、スルガ銀行ANA支店で200マイル程度、新生銀行でTポイントが50ポイント、住信SBIネット銀行で80円分程度のポイントを貯めている(すべて月単位)。年間で考えると、2500マイルに加え、1500円程度のポイントを獲得しているということだ。
利息からは税金が引かれるが、ポイントは非課税
「思いのほか少ない」、と思われた方もいるかもしれない。ただ、銀行ポイントのうまみは、1回設定するだけで毎月自動的に獲得できる点にある。新生銀行の場合は毎月口座番号やTカード番号等の申請が必要だが、それ以外の銀行では毎月何かアクションを起こす必要はない。1度設定すれば、あとは半永久的に自動でポイントが貯まっていくのだ。
メリットはほかにもある。通常、利息を受け取る場合は合計20.315%の税金が引かれる。例えば、30円を受け取る場合は税金が5円引かれ、受け取れる金額は25円となる。しかし、ポイントで受け取る場合は非課税となり、30ポイント獲得した場合は30ポイントをまるまる受け取ることが可能だ。
ポイントが貯まる銀行取引には、さまざまな種類がある。給与振込口座に指定する、クレジットカードなどの振替口座に指定するなど、多くの人が行う一般的な取引に加え、住宅ローン、定期預金、投資信託、外貨預金などでもポイントが貯まる。
最近、銀行の多くが発行している、VisaやJCBブランドが付いたデビットカードの利用でもポイントを獲得することが可能だ。スルガ銀行リクルート支店の場合はVisaデビットカードの利用で0.80%のリクルートポイントが、楽天銀行のJCBデビットカードの場合は1.0%のポイントを獲得できるなど、中には一般的なクレジットカードよりも還元率が高いものまである。
さらに、ATM手数料が無料になったり、他行宛振込手数料が無料になるなどの優遇を受けられる付帯サービスがある場合もある。
この銀行取引ポイントプログラム、従来はネット銀行を中心とした取り組みだったが、最近では地方銀行でも参入するところが増えてきている。2017年6月1日からは、仙台銀行(宮城)ときらやか銀行(山形)がTポイントを採用、夏には但馬銀行(兵庫)もTポイントサービスを導入予定になっている。
銀行が続々とポイント付与に参入している理由はいったいなんだろうか? 1つは、ポイント付与によって給与振込口座の指定や振替口座に指定させることで、メイン口座として長く使ってくれるユーザーを増やすことにあるだろう。
銀行口座を変更するには、会社に振込口座の変更届を出し、それぞれのクレジットカードだけでなく、場合によっては電気・ガス・水道・携帯電話などの引き落とし口座も変更する必要があるなど、面倒な手続きが必要だ。ポイントを呼び水に1度メイン口座として選んで貰えれば、客はそう簡単にほかに移りはしない。そう考えると、銀行にとってはとても効率のよい施策ということになる。
1度設定すれば自動でポイントが貯まっていく銀行取引ポイント。利息に期待できない今だからこそ、ぜひ活用してみて欲しい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら