コミー前FBI長官、トランプ大統領に痛打 「弾劾」にはまだ早いが、政策運営に足かせ
コミー前長官は、証言の最初に「大統領就任前と就任後に私のポストについて話し合い、大統領は私に良い仕事をしていると何度も語っていたにもかかわらず、大統領がテレビで、ロシア捜査が理由で解任したと語っている姿を見た。解任理由がころころ変わっていることに私は混乱し、不安を感じた」と心境を説明した。そして、自分の気持ちが混乱から怒りへと変わっていったと話した。
さらにコミー前長官は、ブッシュ大統領やオバマ大統領と話をしたときには、決してメモを取ろうとはしなかったと、トランプ大統領に対する不信感を明らかにした。「私は正直、彼(トランプ大統領)が私たちの会合に関して嘘をつくのではないかと心配だっので、メモを残した」と語り、質疑に対する答えの中でもトランプ大統領を"嘘つき"と厳しい言葉で非難した。実際、解任後の混乱の際、トランプ大統領はツイッターを通してコミー前長官の人格を貶める発言を繰り返していた。
トランプ大統領がフリン前補佐官の捜査の中止を求めたというコミー前長官の証言に対して、トランプ大統領を擁護しようとする共和党のジェームズ・リッシュ委員は、「大統領は"hope(願う)"という言葉を使ったのであり、それは命令ではないのではないか」と質問した。これに対してコミー前長官は「私は指示だと受け取った。合衆国大統領が私に言った言葉であり、私は大統領が私にそうするように指示したと受け取った。ただ私は命令に従わなかった」と答えた。
トランプ大統領、反撃へ訴訟を準備
こうしたコミー前長官の証言をトランプ大統領は真っ向から否定し、コミー前長官を"嘘つき”と決めつけ、「共謀もまったくなかったし、司法妨害も何もない。彼は"情報漏洩者"だ」と厳しい口調で反論した。さらに「宣誓をして、彼との会話に関して証言することも厭わない」と語った。大統領が個人的な忠誠を求めたという発言に対して「私は、この人物をほとんど知らない。そんな相手に対して『忠誠を誓え』などと言うはずがない」と語った。
トランプ大統領の法律顧問チームは、コミー前長官について、大統領との会話を報道機関に漏洩した疑いで司法省監察官と上院司法委員会に追訴請求状を提出する計画を明らかにした。これに対してコミー前長官は、メモは機密文書ではないと反論している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら