「人脈が広い人」と「ない人」は何が違うのか 30代になってふと気づく「狭さ」

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「ブランド」というのは、「何ができるかという、マーケットとのお約束」と私は定義を置いています。だから、あなたは「自分の世界は狭いのかもしれない」という危機感を大事にしながら、一生懸命目の前の仕事をして、自分のブランドを磨けばいいのです。ブランドがないのではと思うのであれば、それをつくっていくような仕事をすることです。

ちなみにブランドの前提になる強みは、「すごいこと」でなくてもいいと私は思います。「時間に正確な人」でもいいし、「気持ちのいいメールを書く人」「お願い上手な人」でもいい。あなたにしかない強みを自覚することから始めてください。そのブランドは、まずは社内から浸透していくことでしょう。そして一緒に仕事をする社外のお客様やパートナーへとだんだんに伝わっていくはずです。

何かの仕事の案件があって、「誰とチームを組むか」といったことを考える際に、その人の頭にあなたの顔が思い浮かんで、「彼女に声をかけてみよう」と思ってもらえることこそが、「人脈を持つ」ことの成果なのだと私は思います。同様に、あなたも誰かと仕事をするときに、「この人のこの強みは、私にはまねできないな」という視点を大切に、人情報をインプットしていく。そういう積み重ねが、誰かが「こういう仕事があるのだけれど、この領域に強い人はいないかな?」と相談を受けたときに、「彼女が最適!」と紹介してもらえることだったり、逆に紹介をしたり、新しいつながりを生むきっかけにもなっていくはずです。

「人脈」そのものがよい仕事をしたご褒美

私の仕事上でのモットーは「仕事の報酬は、仕事」です。仕事の成果である「自分ブランド」で新しい仕事に取り組み、新しい人と出会う。仕事を通してしか「仕事人脈」はできないし、そうやってできた「人脈」そのものがよい仕事をしたご褒美だ、と私は思うのです。結果的に少しずつ、世界も広がるはずと信じています。自分のやってきたこと、やろうとしていることの先にしか、新しい仕事や出会いはないのです。

異業種交流会やパーティは、私も何度か参加したことがありますが、変な「目的」を持たずに参加すると結構楽しいものです。「こういう世界があるんだ」とちょっと引きながらも、人見知り同士でこそこそ話しているうちに気の合う人と出会ったり。「すごい人だな」と思える誰かと知り合いになることもあります。

自分と比べて「すごすぎてしんどい」と感じてしまうくらい、印象深いキラキラな人もいる。お互いに下心はないけれど、楽しい時間を過ごせる知人ができる、というメリットはあると思いますし、それが人生を豊かにしてくれることも十分にあると思います。「役に立ちそうな人、立派な人と知り合いになってやろう」「いつかそれを役立てよう」と考えるとつらくなってしまうでしょうが、「のぞき見」程度の好奇心が持てるようならば出掛けてみるのもいいかもしれません。講演会や勉強会も、人脈づくりではなく、テーマそのものを勉強すればよいのだと思えれば、得るものはあるはずです。

あらためて、あなたの思う「社外人脈」とはなんでしょうか。「世界を広げる」目的はなんでしょうか。自分でそれを整理して、得たいものがわかれば、今の悶々とした気持ちは少しは晴れるのではないかと思います。「誰かに役立ってもらう」ための行動の前に、「誰かの役に立つ自分である」ことを目指していくことができれば、結果的にあなたの欲しいものが手に入るかもしれません。危機感を大事にしつつも、焦りすぎず、目の前の仕事から逃げず、お互いに頑張っていきましょう。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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