4人以上の場で話が苦手な人に教えたい知恵 心地よい2番手を目指し、否定語は発するな

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「1番手の話を受け止め、他の人に振る」というのが2番手の役割なのですが、話しすぎず、話さずすぎずという「2番手」、実は日本人の多くが無意識的にこのポジションを好んでいるのでは、と感じる場面があります。

それは「就職試験の面接」。私は勤めている鉄道会社でときどき面接官をするのですが、「学生時代に何をしてましたか?」と聞くと、部活の「副部長」サークルの「副キャプテン」と答える人が、本当に多いんです。

キャプテンや部長にはなりたくないけれど、「その他大勢」とも見られたくない。だからこそ、「2番手」という、ちょっと特別感はありつつも、出しゃばることのないポジションを居心地よく感じるのです。

では、「なかなか話せない」という人がどうすれば2番手のポジションに近づけるのでしょうか?

「2番手」になるための「3戦術」

「2番手」ポジションに近づくためには、次の3ステップが有効です。

(1)話を振ってもらう

(2)言葉が出る状態に自分を持っていく

(3)実際に話して、会話を広げる

あまり話せない人が「会話量最下位」を脱出するなら、まず「話を振ってもらう」ことが大事になってきます。話を振ってもらえれば、「沈黙」から脱出する機会が自然と増えますし、周りが気づくほど「無理」をしなくても済むからです。

話を振ってもらえたなら、次は「話す」番です。6月2日配信の「4人以上の場で『会話が苦手』になる人の必然」で触れたように、「4人以上になると話せなくなる」のは「脳の処理能力」を超えてしまうことに原因があります。この脳とは前頭葉のことなのですが、前頭葉を刺激して処理能力を上げ、「話せるモード」にすることが「話せる」ためには重要です。

そして最後に、「何をどんなふうに話すのか」で自分がどう思われるのかが決まるというわけです。

戦術(1) 話を振ってもらう「左前」作戦

まずは、最初のステップである「話を振ってもらう」方法。「意図してそんなことできるの?」と思われるかもしれませんが、脳の仕組みを応用すれば、自分にパスが回ってくる率を高めることは可能です。

ここで応用する脳の仕組みは、「左の法則」と私が呼んでいるもの。1番手から見て「左前(もしくは左側)」の位置に座るだけで、パス率を上げられるのです。

人は、右利き・左利きにかかわらず、視線を「左から右」に動かす癖があります。これは、「アイトラッカー」という人の視線を辿る装置を用いたスーパーでの実験でわかったことで、脳は「左から右に情報を取得する」のです。

次ページ2つ目の戦術とは?
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