テントウムシが羽をたたむ仕組み、明らかに

東京大の斉藤一哉助教が率いる研究チーム

 5月29日、東京大の斉藤一哉助教(生物模倣工学)が率いる研究チームが、テントウムシの外側の羽(「さや羽」)を人工の透明樹脂に変え、羽を折りたたむ際の複雑なメカニズムを解明した。写真は斉藤助教提供も含むロイタービデオの映像から(2017年 ロイター)

[東京 29日 ロイター] - 東京大の斉藤一哉助教(生物模倣工学)が率いる研究チームが、テントウムシの外側の羽(「さや羽」)を人工の透明樹脂に変え、羽を折りたたむ際の複雑なメカニズムを解明した。

斉藤助教は、テントウムシが飛翔時に羽を広げる速さと、留まったり歩いたりする際に折りたたむ動作の速さに印象を受けたとし、昆虫の羽の素晴らしいところは、小型であることが可能なこととともに、一瞬にして広げたり畳んだりできることだと述べた。

宇宙分野での応用が可能

テントウムシは、上翅と呼ばれる外側の羽が飛翔時に使う内側の後はねを包み込み、保護している。研究チームは、ネイルサロンで使用されるのと同じ、紫外線を照射して固めた樹脂をさや羽の位置に移植し、高速カメラ技術と3次元のコンピューターアニメーションを駆使して観察を行った。

その結果、羽にはばねのように収縮する枠の部分と、運動の際に重要な役割を果たす特殊な形状の翅脈があることが分かった。斉藤助教は、これにより下側の畳まれた羽の複雑な構造が明らかになると予想したが、単純な造りに驚いたと説明。「関節のたくさんある複雑な構造を予想していたが、見えたのは極めて単純な構造で、関節のない羽だった」と述べた。

助教は、この折りたたみメカニズムを、ソーラーパネルや衛星アンテナを宇宙に設置する際の作業の小型化などに応用できると期待している。

研究結果は、米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

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