なぜ日本の河川はやたらと殺風景なのか

自治体が決断すればパリにだって勝てるかも

福岡市にあるレストラン「SHIP’S GARDEN」。福岡市が水辺の公園の敷地に民間施設の建設を認めたことにより、水辺に人気のスポットが誕生。福岡市と西日本鉄道が官民協同でつくった空間だ(写真:西日本鉄道提供)
欧米に比べ遅れている公的不動産活用をどうすればいいのか。経営と街づくりの視点から鋭く切り込む木下斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)、「共通価値経営」を標榜する野尻佳孝(テイクアンドギヴ・ニーズ会長)、リノベーションなどで優れた実績を誇る馬場正尊(オープン・エー/東京R不動産)の3人が、ホスト兼パネリストとして毎回ゲストを迎え、「新しい日本の公共不動産のあり方」をビジネス視点で考える「パブリック・アライアンス・トーク」。
第4回のゲストは「空間創造総合企業」であるトランジットジェネラルオフィスの中村貞裕、岡田光、岩本裕の3氏。「河川」や「水辺」の使い方について、熱く語る(今回は馬場氏に代わり東京R不動産の吉里裕也氏が登壇)。

海外の事例を日本に当てはめるのが危険なワケ

――今回のテーマは「河川」です。初めに海外の活用事例を紹介しましょう。まずはパリのプラージュ。これはセーヌ川のほとりの河岸道路の一部を、夏季の1カ月間閉鎖し、砂浜のある遊歩道にするという社会実験で、すでに10年以上続けられているものです。公園、カフェ、スポーツ施設なども導入され、本来道路であるスペースが人々の憩いの場になっています。

また、アメリカではサンアントニオ市の水辺開発が有名です。1968年の万博開催に合わせて開発された古典的事例ですが、川沿いの遊歩道を整備。この周辺の不動産オーナーに呼びかけて、後ろを向いていた建物をすべて川側に向かせようということを一気にやってしまった事例です。水上バスも運行され、アメリカ屈指の観光都市となっています。

岡田:僕は日本人とスイス人のハーフなので、よくヨーロッパを旅して回るんですが、海外の事例をそのまま参考にしようというのは危険だと思っています。というのも、人々の時間の過ごし方や観光のあり方が日本とヨーロッパでは全然違うからです。

まずヨーロッパ人は日本人よりも暇です(笑)。買い物もそれほど行かないし娯楽も少ない。極端に言えば、週末に川岸に集まっておしゃべりするくらいしかすることがない。

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