相手に心地よく伝わったほうが迅速に動いてもらえます。ネガティブな感情が生まれたら、深呼吸でもして、冷静になってから、メールを書きましょう。
ほめたつもりが「上から目線」と思われることも?
確実に相手に「失礼だ」と思われる表現に、「上から目線」があります。といっても、心の底から「上から目線」のメールを書くという人は少ないでしょう。
実際には、自分が相手を下に見ているつもりはなくても、ちょっとした言葉遣いによって、読み手から「上から目線」だと思われることが多いのです。
ここでは、「上から目線」を防ぐポイントの1つとして、「相手の仕事を評価する言葉」に注意する重要性について、お伝えします。
相手の仕事ぶりを評価する際、下手な表現を使うと「上から目線」だと思われてしまいます。そうなると、後に続くメッセージも読み手に伝わりません。
たとえば、以下のようなほめ方では、「上から目線」と思われても仕方がありません。
×和田部長のプレゼン技術には感心しました。
×貴社の力量からすると、これくらいは簡単なのでしょうね。
×先輩が作った資料はなかなかですね。
どの表現がNGかわかりますか? 本人にそのつもりがなくても、ちょっとした言葉遣いの誤りで、相手に不快感を与えてしまいます。しかし、ご安心を。これらは、簡単な言い換えをするだけで、相手に喜んでもらえる文章になります。
○和田部長のプレゼン技術には感激しました。
○貴社のお力からすると、これくらいは簡単なのでしょうね。
○先輩が作った資料はすばらしいです。
メールは、お互いの顔が見えないコミュニケーション方法です。一つひとつの言葉に、相手がどう反応したかがわかりません。自分の知らないところで「失礼だ」とイラッとされないためにも、ていねいな表現を心がけましょう。
平野 友朗
日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役
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ひらの ともあき / Tomoaki Hirano
1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年にメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載400回以上、著書26冊以上。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間120回を超える。著書や監修本には『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。(一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/)
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