いきなりステーキは「超常連」も半端なかった ハマる人続出、肉マイレージの魔力とは?

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EMIさんは2014年8月に肉マイレージカードを作り、約1年半で最上級のダイヤモンドカードに昇格。週に3日ほど店舗に通う。普段は、ワイルドステーキを450グラム食べることが多い。付け合わせのコーンは糖質の少ないブロッコリーに変更し、黒烏龍茶を頼むことも忘れない。

フィジークの大会に出場したときのEMIさん。絞り込まれた驚異の肉体だ(写真:EMIさん)

卓上の調味料も使いこなす。「塩・こしょうが多いですが、醤油とわさびも好き。マスタードと甘めのステーキソースを組み合わせると韓国風の味になってオススメですよ」(EMIさん)。

フィジークの大会シーズンである7~10月を前に、毎年5月から減量を始める。この時期は、脂肪の少ないヒレ肉を頼み、ライスは食べない。2016年は日頃のトレーニングといきなりステーキ通いが実り、日本ボディビル・フィットネス連盟が主催するフィジークの全日本大会で10位の成績を残した。

EMIさんのモットーは楽しく食べること。「ランキングを上げるために無理な食べ方はしない。ただ、アプリのランキングシステムは面白いし、モチベーションになる。どうせお肉を食べるなら、やっぱり、いきなりステーキで食べたいな」と笑顔で話してくれた。

全店制覇を目指す「鉄道マニア」の情熱

ほかの客とランキングを競うのが肉マイレージの醍醐味だが、人とは違う楽しみ方を見つけたのが、出版社で働く多田哲朗さん(35)。多田さんは元々「日本の鉄道は99%乗車している」というほどの鉄道マニア。いきなりステーキにおける目標も全店制覇(4月末時点で国内122店)なのだ。

鉄道マニアの多田さんが目指すのは全店制覇。食べ歩いた店舗のリストを見せてくれた。期間限定で出店していた赤坂サカス店も訪れていた(記者撮影)

多田さんによると、鉄道マニアの間では、コンビニや飲食店においても「全国の店舗に行く」という趣向が生まれやすいという。

「店舗数も多くなかったので、全店制覇を目指すようになった。店舗が集中している都内はすぐに制覇できた」と話す。2016年8月には当時100店あったうちの99店を制覇し全店制覇に迫った。だが、その後出店ペースが加速し現在は全122店中112店を制覇した状態だ。

量を食べることが目的ではないため、1回の食事量は200グラムほどだが、累計では約65キログラム(プラチナカードの水準)を食べた。今後は石垣島店(沖縄県石垣市)や「AM(イオンモール)出雲店」(島根県出雲市)など遠方の店舗にも足を運び、全店制覇を達成する構えだ。

今年2月には米ニューヨークへの出店を果たし、日本でも出店を加速するなど絶好調のいきなりステーキ。厚切りステーキを割安な価格で提供し、客は立ち食い形式という常識破りの業態が注目されるが、その人気を支えているのは店頭の工夫だけではない。ユーザー同士が競争を楽しむ肉マイレージも熱心なファン作りにつながっている。肉マイレージの魅力をさらに高めることが、今後のいきなりステーキの成長のカギを握るといっても過言ではないだろう。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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