したがって、英国が2019年3月末までに正式にEUを離脱することになるのはほぼ間違いないが、英国が新たな通商協定を手にすることもないだろう。移行期間に関して何らかの合意がなければ、離脱は過酷なものとなる可能性がある。関税を課せられ、EUの制度から切り離されて、外交的な緊張が高まるだろう。
英国企業に混乱をもたらす可能性
反対に、移行期間に関して何らかの合意が得られれば、英国の離脱条件は新たな通商協定に向けての基本原則を含んだものとなるかもしれない。双方に善意があれば、新たな通商協定について2022年までに結論を出すことも可能だろう。
新通商協定は、ウクライナ─EU間の「深く包括的な自由貿易協定」に近いものとなろう。ただ、これはウクライナ経済にはプラスだったが、英国には大きな後退となる。なぜなら、新たな国境管理が必要となり、EUと緊密に結び付いた英国企業のバリューチェーンを混乱させることになるからだ。
EU離脱後も欧州の一部であり続けるのか、それともEU離脱が欧州との離別を意味するのか。英国は決断を迫られている。
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