読み書き障害をもつ人が広告業界に多い理由 「脳内の配線が少し人と違うだけ」
このキャンペーンは、自閉症の人の多くが持っている、それぞれの強みがハイライトされたゲームを体験するというものだ。サイト(DifferentBetter.us)を訪れた人は、プレイヤーの認識、論理や視点が試されるような課題を解決することになるが、実在の自閉症をもった個人が、このゲームの成功の指標として利用されている。それぞれの課題の最後では、ウルトラテスティングのチームメンバーが、考え方の違いがもつ利点や、彼ら自身の問題解決に対するアプローチを話してくれる。
素晴らしい能力をどのように結びつけるか
エージェンシーも、片隅でひっそりとではあるが、この動きに貢献しはじめている。2017年、ジャーショニー氏はSXSW (サウス・バイ・サウスウエスト:アメリカで毎年3月に行われる音楽祭、映画祭などを組み合わせた大規模イベント)で、デザインに関わる問題をユニークな手法で解決するために、ディスレクシアを抱える人がもつ素晴らしい能力をどのように結びつけるか、という内容のパネルディスカッションを催した。また、2016年にザ・ガレージが出した「人とは異なる考え方を持った社員が必要なため、応募者の規定として、ディスレクシアをもっている必要がある」という内容の求人広告は物議を呼んだ。この広告のキャッチコピーは「必要としているのはユニークな心をもった人なので、応募が可能なのはディスレクシアをもった(スティーブのような)人だけ」というものであった。
「いまの会社は、革新が成功の鍵であることを知っていて、それにはディスレクシアを抱えた人が大きく貢献する、ということを否定することはできない」と、アーノルド氏は語る。「私はディスレクシアをさらにもっと一般的なものとしたかったし、すべての重役会議室には、ディスレクシアを抱えた人がいるべきだと強く信じている」。
才能と多様性は、広告業界が抱えるもっとも大きな問題のうちのふたつになっている。エージェンシーが多彩な労働力を得ようと必死になっているなかで、このような候補者を受け入れることは理にかなっているとリア氏は語る。
「定型発達した人だけが才能をもっているわけではない」と、リア氏は語る。「こうした才能を発掘できるインフラがあるならば、それは素晴らしいことだ」。
Tanya Dua (原文 / 訳:Conyac)
DIGIDAY[日本版]の関連記事
広告業界のレジェンド、R・シルバースタイン氏の出発点:「闘犬のような強さと集中力をもつべき」
セルフブランディングがすぎる輩にご用心:広告業界が抱えるバカげた状況
ドナルド・トランプ支持はNG?:米広告業界人が保守党支持を隠す理由
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら