消費者物価は上昇だがGDPデフレーターはマイナス
5月19日に発表された1~3月期のGDP(国内総生産)統計では、GDPの物価指数ともいえるGDPデフレーター(GDPの物価水準。名目GDP÷実質GDP)が前年同期比でマイナス0.8%となった。
消費者物価はエネルギー価格の下落などから、2016年に入ると前年比で下落基調となり、2017年になってようやく上昇に転じた。消費者物価の動きから、一時はデフレに逆戻りかという懸念が出ていたものの、ここへきて逆戻りの懸念は弱まったと判断される。
ところが、逆にGDPデフレーターの動きからすると、デフレに逆戻りという懸念が強まりつつあるように見える。
GDPの主要な需要項目のデフレーターを見てみると、政府最終消費支出を除いて、すべての項目で上昇率はマイナスからプラスに転換しており、1~3月期には物価が上昇に転じたことが確認できる。このような中で、個別の需要項目を統合したGDPデフレーターの上昇率はなぜマイナスとなっているのだろうか。
それは、GDPデフレーターの上昇率は純粋に国内で起こった物価上昇を示すものであり、輸入原油の価格上昇といった輸入品が引き起こした物価変動分を取り除いているからだ。
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