乳がん予防のために見直したい生活習慣4つ 喫煙や肥満、飲酒はリスク要因
特に予防効果が高いのが、カロテノイドという物質を豊富に含む野菜や果物だ。カロテノイドはオレンジ色の植物色素で、ビタミンAの前駆物質。サツマイモやニンジン、セイヨウカボチャの他、ホウレンソウやケールなどの濃い緑の葉物野菜、オレンジの果肉のメロンやトマトなどから摂取できる。
1日30分の運動でも効果は望める
大豆食品の予防効果についてははっきりした結論は出ていない。アジアの女性は生涯を通じてたくさんの大豆食品を食べるが、乳がんの発症率はとても低い。大豆に含まれていて予防に結びつきそうな成分といえばイソフラボンだが、洋風の食習慣の女性では何の効果も確認できていない。また、イソフラボンのサプリメントについては、植物性エストロゲンが高濃度で含まれているとして専門家は警鐘を鳴らしている。
飽和脂肪酸の摂取を避けることも強く勧めておきたい。乳製品と乳がんリスクの間には総体的に見て関連はないものの、チーズやアイスクリーム、牛乳など脂肪を多く含む乳製品にはエストロゲンも含まれているから、乳がんを発症した人の余命を縮めてしまうかもしれない。
米国の若手看護師を20年間にわたって追跡調査した研究など数多くの論文に基づき、米がん協会は牛肉や豚肉、羊肉などの赤い肉の食事は週2回にとどめ、ベーコンやソーセージ、ランチョンミート、ホットドッグといった加工肉はできるだけ食べないよう呼びかけている。
次に来るのが身体的な活動だ。定期的な運動は乳がんを予防するばかりか、発症したとしても回復を促進する。そればかりか、多くの慢性疾患から体を守り、体重を標準に戻して維持するのにも役立つ。
米国および外国で行われた50を超える観察研究から、運動量の多い女性は乳がんになりにくく、罹患(りかん)した場合の死亡率も低いことがわかっている。
健康を守るためには、アスリートになる必要もなければ、マラソンを走る必要もない。速足で歩くといった運動は効果的で、特に1日1時間もできれば言うことはない。だが1日30分間であっても体を動かすなら、何もしないよりはましと言えるだろう。
(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2017 New York Times News Service
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