乳がん予防のために見直したい生活習慣4つ 喫煙や肥満、飲酒はリスク要因

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もう1つの重要な要素が体重のコントロールだ。ボディマス指数(BMI)が上がると乳がんのリスクも高まる。特に問題なのが、ウエスト周りが太った場合だ。腹部の脂肪は代謝が活発で、成長因子やホルモンを産出する。乳がん細胞の成長を促す女性ホルモン、エストロゲンも増える。

ハーバード公衆衛生大学院のウォルター・ウィレット教授(疫学・栄養学)は2010年に、米消費者団体「公益科学センター」のニュースレターでこう述べた。「たぶん、女性が乳がんのリスクを減らすために自分でできる最も重要なことは、成人になってからの体重増を避けることだ」。

心臓病も予防できて一石二鳥

肥満は乳がんを発症した女性の生存率を引き下げる要因にもなる。ただし、乳がんと診断された後の減量に持続的なプラスの効果があるかどうかはわかっていない。ともあれ、決定的な証拠が出てくるのを待つのではなく、さっさと減量すべきだろう。多すぎる体重を減らすことには心臓病や糖尿病、それに他の複数のがんの予防効果があるのだから。

乳がん発症リスクとの関係がはっきりしている3つ目の要素はアルコールだ。1日に2~5杯のアルコールを飲む女性は、酒を飲まない女性と比べ40%も乳がんになりやすい。1日に1杯の飲酒であってもがんの発症リスクは約7%上昇する。

飲酒は性ホルモンの量に影響を与え、性ホルモンは閉経前であれ後であれ、女性のがん発症リスクを高める。乳がんの治療をすでに受けた場合でも、週に3~4杯相当のアルコール摂取は再発のリスクを高める。閉経後の女性や、過体重もしくは肥満の女性では特にそうだ。

もっとも、ときどき1杯飲むくらいであれば問題はないだろう。筆者は18年前に乳がんを発症したが、今も時折酒は飲む。ただし多くても週に2杯程度で、まったく飲まない週もある。

食習慣についてもアドバイスしよう。心臓病の予防効果があるとされている食習慣こそ、乳がんの予防効果が最も期待できる食習慣だ。食物繊維が豊富な野菜に果物、全粒の穀物を多く食べ、飽和脂肪酸の多い牛豚肉など赤い肉の摂取は最小限にすることだ。また、砂糖で甘くした飲食物はほんの少しにとどめよう。

最近、発表された過去の15の研究に関する分析論文によれば、乳がんのリスクが最も少なかったのは果物と野菜を最もたくさん摂取していた女性たちだった。だが野菜や果物を多く食べることとがんのリスクとの相関がいちばんはっきり出たのは、乳がんになったあとに食習慣を変えた女性ではなく、子ども時代から野菜と果物をたくさん食べるという食習慣があり、それを大人になってからも続けていた人々だった。

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