「デジタル広告」の現状がわかる5つのグラフ 2017年は新規広告の大部分がデジタル広告へ
ゼニスが発表した別のレポート「広告支出予測(Advertising Expenditure Forecasts)」によると、2016年から2019年にかけては、世界の10都市が広告支出の拡大の11%を担う見込みだという。これら10都市の人々をターゲットにした広告の支出額は、2016年には610億ドル(約7兆円)だったが、2019年には690億ドル(約7.8兆円)にまで増加すると見られている。金額がもっとも大きいのはニューヨークで、2017年には広告支出が150億ドル(約1.7兆円)になるという。東京も引けを取っておらず、予測額は130億ドル(約1.5兆円)だ。ロンドンは80億ドル(約9兆円)になると見られている。
英国のEU離脱(ブレグジット)が広告支出にどのような影響を及ぼすのかは、まだわからない。それでも、2019年までの広告支出の増加に対する貢献度で、ロンドンは第2位になるという。9億6800万ドル(約1100億円)がロンドンによって世界の広告市場にもたらされるとゼニスは予測している。
「いまは先を見通せない時代であり、予算は引き締められる傾向にあると人々はいう。だが、私はそうは思わない」と、独立系メディアエージェンシーのVCCPメディア(VCCP Media)で会長を務めるポール・ミード氏は言う。「誰もが週単位、月単位で取引をしている。彼らは、ブレグジットのような大きな問題のことなど考えていない。大手ブランドのほとんどは、投資を引き締めてしまえば売上に影響が出ることをわかっている」と、ミード氏は指摘した。
テレビの価値は衰えず
現在、デジタル広告支出は、10の市場でテレビの広告支出を上回っている。その10市場とは、オーストラリア、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、そして英国だ。さらに、5つの市場(ドイツ、フランス、アイルランド、香港、台湾)でも同じ状況が起こりつつあるとグループMは報告している。